続・ようこそ！！青蘭高校へ！！ 【 ３１ 】

去った本屋 ページ11

◆ 太輔・side ◆

おー、おー、切れてる 切れてる…



わかりやすい奴。



「お前さ、もう少し口の利き方… 」


『どこにいるんすか！！』



ブチ切れ？



「どこかなぁ〜？なぁ？河原？」



河原はハラハラした顔。


でも、俺は、口ぱくで『大丈夫』と言った。



『ガヤ先輩！！』


「うるさいな… つか、気づかなかったのか？本屋にいたけど？」



…



『… え？』



そう、俺たちは北斗のバイト先に来て、仕事ぶりを陰から見ていた。



「今もいるけど？参考書辺りに」


『い！行きます！！』



… ったく…



「北斗 来るって」


「… はい」



河原は心配そうに俺たちを見た。



「あの、先輩… 」



…



「ご迷惑をかけて すみま… 」


「ありがとだろ？」



ニカ…



「そうそう、こういう時は一言『ありがと』って 言えばいいんだよ」


「と 言うか、俺らお前をココに連れてきただけだし」



渉…



「ガヤ、帰ろうぜ」


「そうそう、変に絡まれて殴られの嫌だし」



くすっ…



「そうだな」

「と、言うわけで 俺らは帰るから」



うるうるの瞳が俺たちを見た。



「… あんなにお前のことで切れるんだ」


「好きじゃなきゃ しない行動だよ」



…



「大丈夫、北斗はお前のこと大切にしてるよ」


「自信を持て」



ぽろぽろと零れる涙。



「未来を見てるならお互いのこと もっとわからないとな」


「そーそ！俺らみたいにさ！！な〜？渉〜？♪」



…



「何で黙るの？」



わたが俺を見た。



「いや… 七海がわかってるから お前が成り立ってるんだと思うけど？」


「うん、俺も橋野がいるからお前は立ってられると思う」



ニカがむぅ〜〜〜〜… と、真っ赤になった。



「バカ言え！！俺がいるから七海は立ってられるの！」


「「へぇ〜… 」」



わたも俺も白い目でニカを見た。



「うがぁーーー！！お前らーーー！！」


「うわっ！！怒った！！逃げろ！！」



わたが笑いながら店内を出て行った。


俺も逃げようとしたが…



「捕まえた！」


「うげっ！！捕まった！」



ニカが俺を羽交い絞め。



重…



「ニカ、ちょい待て… 」



…



「河原」



…



「運命はあるよ」




…




「運命はある」




…




「だから 北斗を信じろ… 」



…



「じゃあな… 」


「ニカ、行こう」




俺は、ニカと静かに本屋を出た。




そして 遠目から２人を伺った。

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