続・ようこそ！！青蘭高校へ！！ 【 ２８ 】

悔し涙 ページ8

★★ 廉耶・side ★★

静まり返って部屋。



皆がニカ先輩を見つめていた。



「未来って… 考えてるさ」

「たとえば？」



…



「ほら、何もない」

「あるよ！！」



…



「ある… ちゃんと考えてる」



…



「うん、それはわかった」

「でも、失敗したら別れる」



ああ、とどめがくる…



「高嗣との未来はないから」



…



グサッ！！



と… 刺さりましたね。



「廉耶君 行こ」


「あ、はい」



楓に目で合図すると玄関を出た。

慌てて走ってきた北斗。



「大丈夫っすか！？」
俺じゃなく七海さんに声掛け。



ガクッ…



「と、やっぱり 大丈夫じゃなかったな… 」

「うん… 七海先輩 掴まってください」


七海さんを後部座席に乗せた。



…



「廉耶、行こ… 」
ああ…


静かに車を出した。


数分後、自宅の駐車場に到着。


東大には ほとんど駐車場がないため ここから電車と徒歩。


３人で東大の赤門を通る。


「うへぇ… こんなとこまで観光客がいんのかよ… 」

「北斗、こっち… 」


俺の後をトコトコ付いてくる２人。


「なぁ、廉耶が学科とってるとこってどこ？」
ん？

「ああ、あそこの法文１号」
赤門からすぐの所。

「へぇ〜！ちか！！」
くすっ。

「じゃあ、裕にぃは？」
あ〜…


指をさした。


「前は、教育学部だったけど、転科したから… 医３かな？」

「正解！！」


！！


「玉先輩！！」

「やぁ、よく来たね」



ビクッた…



後ろにいやがった…



「はい！きました！！」
北斗 ご機嫌…

「七海ちゃん、頑張ったね」
あ…



ぽろぽろと涙が零れた…



「大丈夫だよ、ニカは俺に似てるから わかってくれるよ」

「… はい… はい… 」



気の強い七海さんが…



ツラそう…



「しかし、ガヤの奴も酷なことするよなぁ… 渉の時と同じでいいのに」


…


「それは、違う」



え？



…



「高嗣は、私が言わないとわからない、危機感を感じない」

「それを藤ヶ谷君たちは知ってる… だから 話しに乗ったの… 」


…


「高嗣の… 藤ヶ谷君たちがいるから 少々失敗してもいいやって… それが見えて… ムカつくの！」

「主役になろうとしない 高嗣がムカつくの！」


…


「… 七海ちゃんは、それが悔しいんだね」


「うん… うん… 」



そうだったんだ…



七海さんは、本当にニカ先輩が好きなんだ。



好きだから 主役になってほしかったんだな。

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