続・ようこそ！！青蘭高校へ！！ 【 ２８ 】

想いを馳せた空 ページ25

★☆★ 北斗・side ★☆★

七海先輩が去ってから 一人で本に没頭。


裕にぃが声を掛けてくれた時、腹が減ったことに気付いた。



「ココ いいすね、たくさんあって」
うっとりするぐらいの蔵書の数。

「そう？東北大だってかなりの数だろ？」
う〜ん…

「そうかもしれないすけど、古さと数からいくとダントツで多いすよ」
楽しくなっちゃう♪



ココに通いたいぐらい♪



「本当に本が好きだな、今、何の本読んでるんだ？」
ん？


「えっと、書斎随想とか量子論で… 」

「全然 わかりません」



え？



…



「ですよね、あはは… 」

「北斗は ガヤより すげぇかもな」


え？


「アイツは、一つの分野しか興味ないから」
あ〜… ですね。



「本当に飛行機バカ」

「乗ったこともないくせになぁ… 」



えええええええ！？！？



「ガヤ先輩、飛行機乗ったことないんすか！？」
うそ！？

「ああ、意外だろ？でもさ… アイツは家族といろいろあったから… 」
あ…



「遠慮して 言えなかったんだと思う」


「想いを馳せるだけで 乗りたいとか思わなかったんだ」



…



「だから 人一倍、飛行機に憧れがあるんだと思う」



裕にぃが窓の外を見た。



青空が眩しい…



「これからは乗ると思うよ。Aちゃんと」

「たくさん乗ってほしいよ、２人で」



うん…



そうだね…



これからは、２人で幸せになってほしい。



たくさんの夢を見てほしい。



「北斗も頑張れよ」


「香月ちゃんのためにね」



香月…



「はい！！」


「じゃあ、俺 午後もあるから。気をつけて帰れよ」



裕にぃが席を立ち、去って行った。



でも…




「あ！北斗！！」
びくっ！！

「お静かに！！」
あ、怒られた。



てへっ、って顔で笑いながら戻ってきた。



「今日、もしかしたら寝れないかもしれないから早めに帰って寝ろ」
え？

「イベントが起こるから」
イベント？？

「アイツらにもそう言っておいて」
？？



何？？



「あ〜！早く会いたーーーい！！」

「お静かに！！」



また 怒られた！！



裕にぃは、ぺこぺこ謝りながら出て行った。



「会いたい… ？誰に？？」



「イベント… ？」




何だ？？




その答えは、言われた通り 早めに寝ようとした１１時頃に起こった。




俺たちは、新たな命の誕生に初めて立ち会うことになる。




明け方の…




待ち焦がれた 命の誕生だった。

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