続・ようこそ！！青蘭高校へ！！ 【 ２８ 】

LINEでの会話 ページ11

△▼ 高嗣・side ▼△

走って走って電車に飛び乗った。



息を切らしながら LINEを打つ。



『今、どこ？』



すぐに既読。



『どこ？』




「何で返事しないんだよ… 」
何度も何度も文字を打つ。

「読んでるなら返事しろよ… 」
七海…



頼む…




…





…





ブーブー…




はっ！！




マナーモードが震えた。



「… えっと… ？」
… イチョウ並木？？



ブーブー…



「… 来たらぶっとばす… って、物騒な奴… 」
でも これは…

「来いってことだよな」
迎えに来いってこと。



七海のわかりやすい表現。


俺は、乗り換えをし ある場所へ。



「広い… どこにいんだよ… 」
走りながら探す。

「七海… 七海… 」
居るのは観光客やジョギングの人。


野球観戦の人たちもいた。


イチョウの並木道にも行ったが…



「いない… おかしいな… 」

「はぁはぁ… あっちぃ… 」



汗だく…



９月に入ったとは言え、まだまだ暑い東京。



「あ〜… どこにいんだよ！！」
腹も減ってきたし… イライラする。

「汗、止まんねぇ… あ〜… 喉乾いた〜… はぁ〜… 」
休憩するためにベンチに腰かけた。



仲良さげなカップルが目の前を何組も通る。



『欅も綺麗だけど イチョウも綺麗だよね、きっと』



よく散歩した定禅寺通り。欅の木々がここの神宮外苑に似ていた。


ココに来たがった七海…



「一人でくるなよな… 」
急に一人だと気づく。



誰もいない…



「春には… 一人なんだ… 」



…




ブーブー…




『そうだよ、一人だよ』




え…





…




『どこにいるんだよ』



ブーブー…



『目の前だけど？』



え…






…





ブーブー…





『でも、来ないで』


『LINEで話そ』




気づけば、目の前のベンチに座っていた。


話せばいいのに LINEが入る。



『やっぱり 綺麗な所だったね』


『ああ』



…



『イライラしてる？』


『ああ、当たり前』



目の前でくすくす笑ってる。



『ごめんね… 高嗣』


『何が？俺の為に言ってくれたんだろ？』



七海の打つ手が止まっていた。



…



『どうした？』


『私、最低なの』



え？



『高嗣なんか失敗しちゃえって思ってる』




七海の意外なLINEに、目を疑った。




でも、それは母ちゃんが言ったことだった。




俺の態度が 七海を不安にさせていたと気づいた。

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