続・ようこそ！！青蘭高校へ！！ 【 ２２ 】

誘った部屋 ページ28

◆ 太輔・side ◆

カバンを持つ手が微かに震えてる…


スッ…


「もうすぐ昼食がくるから 一緒に食べようか」
カバンを受け取った。

「入れよ」
引き換えし自室に誘った。


手すりに掴まりながら入ってくるA。

１週間で体力がなくなってると実感する。


「そこ、座れよ、今 お茶淹れてやるから」
姉さんがよく飲んでいた緑茶を戸棚から出した。

「… 何か… 」
ん？

「ここ… 部屋みたいだね」
部屋？


あ〜…


「そうだな、皆が… いろんな物を置くから部屋みたいになったかも」
兄さんと一樹の寝泊りグッズや凛斗と桜良のおもちゃ。

「とくに姉さんたちは、ひまだったのかスィーツと飲料が充実してる」
冷蔵庫を開けてみた。


何だかわからないくらい入ってる冷蔵庫。


「本当… 家みたいだよな、ココ」
笑いながら冷蔵庫を閉め、ポットのお湯を急須に注いだ。


コポコポコポ…


ふんわり漂う日本茶に香り。


「はぁ〜… 高そうな茶葉だな」
緑茶の袋をしげしげと見つめた。


「もう少し蒸らして… 」

「藤ヶ谷さーん！芦田さーん！昼食ですよ〜♪」


あ…


「来た… 」
看護師さんが２つのトレイを持ち入ってきた。

「２人とも残さず食べるんですよ〜♪」
テーブルに置いた。


若干 残念感がある、お粥がメインの昼食。


「… 味なさそう」
思わず不満…

「うん！ないよ！」
え〜…


だよな… 当然感でさらに脱力。


「でも、彼女のコレがあるでしょう？」
え？

「内緒にしてあげるから ちゃんと味わいなさい」
テーブルに置いた…


カバンの中身… おじさんのコンソメ。


「じゃあ、食べたら廊下出しておいてね」
看護師さんは陽気に出て行った。

「はーい… 」
ん？


立ったまま座ろうとしないA。


「… ほら、突っ立てないでコレにスープ入れて」
戸棚から出した２つのカップ。

「え… コレ… 」
そう、これは…


俺たちのペアの猫のマグカップ。


「お母さんがさ… 持ってきてくれたんだ」
テーブルに置いた。

「えっと… 夢… ？」
ん？

「夢？」
A？


シーン…


「… ううん、何でもない。入れるね」
カバンから取り出し入れ始めた。

「良い香りだな… 」
優しい幸せの香り。


おじさんの愛情がいっぱい詰まったのコンソメスープ。


「俺は日本茶〜♪」


湯呑をその横に置いた。


２人で手を合わせた。



「頂きます」



「… 頂きます」



湯気の向こう…


ゆっくり飲む Aを見つめた。

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