続・ようこそ！！青蘭高校へ！！ 【 ２２ 】

不機嫌な２人 ページ8

■■ 一樹・side ■■

北斗は さっきから溜め息ばかり…


廉耶もむっすり…


どうしたんだ… コイツら？


「気にしなくていいよ」
ん？

「何？みつ 知ってるのか？」
微妙に首を傾げた。


どっちやねん…


「まぁ、廉耶と似たタイプだからさ」
うん？

「ケンカしたんだと思う… 」
ケンカ？

「北斗が？香月ちゃんと？」
みつが頷いた。


似てるタイプ…

そう言えば… 朝から楓に無視されてたな。


「どんなことがあったのかは不明」
そうなんだ。


でも、ケンカしたくらいで こんなに大袈裟に溜め息つくか？

まるで廉耶に聴いてほしいみたいに溜め息をついてる気がする。


ん？


「Aちゃん！またね！やべーー！！」
涼介！！


焦った涼介がAの病室から出てきた。


「あ！早瀬さん！綾瀬さん！気を付けて帰ってね！！じゃ！！」
元気だな… コイツは。

「あ！北斗！！大変！大変！」
ん？？


北斗の腕を引っ張った涼介。


「… 何？… 俺、今 超〜気分悪いんだけど」
おいおい…

「機嫌悪くなってる場合か！！プレゼン！東京プレゼン！」
ん？


プレゼン…


三菱のだよな… 確か。


「やばい！作戦会議してるって」
え？

「俺らも手伝わないと！！行くぞ！北斗！！」
北斗は嫌そうな顔して引き連れられて行った。


太輔の病室が一気に盛り上がってく。

すると再び Aの病室のドアが開いた。


「あ」

「松原医師！洋子さん！」


一緒に出てきた。


「Aはどうですか？」
親指立ててGOOD！！

「もう大丈夫。良い笑顔になるよ」
そっか。


笑顔になる…


太輔の好きな ひまわりの笑顔に。


「早瀬君と綾瀬ちゃんが帰るらしいから 下まで送ろうと思ってね」
帰るか… とうとう…


「じゃあ、俺も送ります」

「俺も」


みつも送ると言った。


「廉耶は？」


シーン…


「おい、廉耶」

「… え？あ、俺は… いい、Aの方が気になるし」


気になってるのは、Aじゃないくせに…

な〜んて思っていると早瀬と綾瀬が出てきた。

入れ違いで病室に入って行く廉耶。


「早、先に行ってて、裕太と桜良と下に行くから」
綾瀬は、太輔の病室に入って行った。

「さて… 行くか」
早瀬が言った。


俺は、何も言わず先に歩き出した。



コツコツコツ…



「母さん… 頼むね」



小さく聴こえた声。


振り向くと… 早瀬は、２つの病室を愛おしく見つめていた。


俺は、気づかぬふりをしてエレベーターに向かった。

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