続・ようこそ！！青蘭高校へ！！ 【 ２２ 】

おじさん分析 ページ23

★★ 廉耶・side ★★

ぷっ！！


今、俺は後ろを向き 声を殺しながら笑ってる。横にいる楓も。


その理由…


おじさんのこんな焦った姿、初めて見たから。

懐かしい話… 弘道館で柔道を習っていたガキの頃から一緒な俺ら。

でも、実際 同じクラスになったのは小５の時。

それからの腐れ縁が続き… 現在に至る。

初めて会った時ビビったよな… マジでさ…


『俺の娘に変なことすんじゃねぇぞ… クソガキ… 』


… っと 言わんばかりに、俺ら男子を威嚇。

だから、信用されるまでに結構かかった。だから今の関係にあるんだけどな。

でも… ガヤ先輩には 最初から全然違った態度だった。

笑顔のおじさんを見た時、『違う』と思った。

悔しいけど、おじさんが認めてるのは… おばさんが認めた男…


藤ヶ谷 太輔… ただ一人だけ。


愛する者が信じた者は、同じように信じる… っと… 思う。

洋子おばさんは… おじさんにとって絶対的な者。無くてはならない者。


『 慈しむ者 』


… その言葉がぴったり嵌る２人だと思う。藤ヶ谷家と同じ考え方だよな、コレって。

その証拠に… 洋子おばさんが初恋。笑えるわ… どんな幼少期だよ。


でも… それはたぶん… 藤ヶ谷 太輔と同じ。


ガヤ先輩もAが初恋だと思う。

なぜそう思うかって？だってさ、普通 幼なじみの子が初恋じゃね？

でも、ガヤ先輩は楓のことを好きにはならなかった…

Aと出逢うまで、誰とも接触しようとは思わなかった… 思春期なのにさ。


おじさんに似ているガヤ先輩…


Aがガヤ先輩を好きになったのは… おじさんに似ているからだ。

相手を一途に想いやることを本能的に気づいたから… だから惹かれたんだ。


『この人、守ってくれる… お父さんみたいだ』… って、さ。


確かに… Aがにぶちんなのは、そんなおじさんの要素がある思う。

おばさんの迷子癖もね。言っとくけど、おばさんは意外に方向音痴なんだよね。


似た者夫婦。


Aは良いところも悪いところも、この２人から受け継いだ…


って、俺は思ってる。


横にいる奴をチラリと見た。

心の中で名を呼ぶ…


楓…


すると 視線に気づいたのか 俺を見た。

でも、何も言わなかった。怒ってもない表情。


「俺… あんな風になりたい」


そう言うと笑って頷いた。


俺たちは、いちゃいちゃ言い合いをするおじさんたちを見つめた。

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