続・ようこそ！！青蘭高校へ！！ 【 ２２ 】

２人の手 ページ21

廉耶と楓は、何も言わないでただ座ってるだけ。


何だか雰囲気が悪い…


「ねぇ、もしかしてさ… 私が悪いのかな？」
ボソッと伊吹に言った。

「は？… 違うよ、… もう、何でいつも自分が悪いみたいなこと言うの？」
うっ…

「Aの悪い癖だよ、それ」
うっ…


だって…


「まぁ、人を気遣ってるのは良いことだけどね！本心をちゃんと言わないとだよね！！」
え？

「はぁ！？本心って… 言ってんだろうが、俺は！」
あわわ…


廉耶の超怖い顔！！


「私だって言ってますけど！？廉が聴いてくれないんじゃない！！」
うわ！うわ！ケンカだーー！！

「はいはい… ２人とも堂々巡りですね… はぁ〜… 」
伊吹が大きな溜め息をついた。


何があったの… ？


「俺、帰る」
え？

「言っとくが、東京じゃないぞ マンションだ！マンション！」
あ…

「どうやって？」
え？

「… お金ないくせに」
か…


楓…


超… 怖い…


「マンションまで何キロあると思ってるの？バカじゃない」
ひぃ〜〜〜！！

「… 超… 感じ悪」
うん…


感じ悪いよ… 楓…


「誰のせいよ」
廉耶のせいなんだね…

「期限決めたのそっちだろ？だったら黙って見てろよ」
期限？


そう言うと黙った楓。


「あの… ケンカしないでほしい… 何か嫌… 」
太輔とケンカしたの思い出しちゃう…

「あ、ごめん… そんなつもりじゃ… ごめんね」
楓が謝ってくれた。


でも廉耶は…


「廉耶… 」
黙ったまま。



シーン…



「A！？」
ベットから降りた。


ゆっくり廉耶の元へ。


「ば！バカ！お前！！」
廉耶が立ち上がった。

「Aちゃん！」
楓も横に来た。


２人の手…


ケンカしないで…


「… おっきいね」
左手、廉耶。

「あったかい… 」
右手、楓。


それぞれ握ってない手が私を支えてくれる。


「２人とも優しい」

「大好きだよ」


１週間の眠り…

何があったかわからない… でも…


「廉耶、焦らないで」

「絶対に大丈夫だから」


左手を強く握った。


「楓、信じて」

「絶対に大丈夫だから」


右手を強く握った。


「絶対、大丈夫」
目を閉じた。


「大丈夫」


きゅ。


「A… 」

「Aちゃん… 」


ゆっくり目を開けた。


２人の笑ってる顔が見えた。


「うん… 信じる」

「ありがと、Aちゃん」


楓…


「… ん、わかった」

「頑張ってみる」


廉耶…


２人は、お互い話もしなかったけどケンカもしなくなった。

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