続・ようこそ！！青蘭高校へ！！ 【 ２１ 】

許しの最低の条件 ページ9

柚菜さんの憎悪… 悲しみ…


私は、さらに孤独を与えてしまった。


「『何でも持ってるくせに… 』って… 」


シーン…


「私には何もないって… 守ってくれる人も… 愛してくれる人も… 」

「『それなのに… アンタは私から大事なものまで奪った！！』って… 」


柚菜さんの大事なもの…


柚菜さんのたった一人の親友…


「河原… 」
うん…

「『返して… 』って言われた」
泣きながら訴えられた…


柚菜さんの涙…


「私は、知らず知らずのうちに２人の仲を裂いてたの… 」
そんなつもりじゃなかった…

「太輔もそう… 柚菜さんにとって太輔は、香月ちゃん同様に特別だった」
きっと そう…


太輔を心から愛していた…


だから… 私のことを許せなかった。


「柚菜さんが太輔の指輪を投げたのは… 私のせい」

「柚菜さんが悪いわけじゃない。それをさせてしまったの… 私のせいなの」



シーン…



「孤独だからって人を傷つけていいわけじゃない」
え…

「アイツがしたことは、俺にとって最悪だった」
あ…


「俺がどれだけ… 苦しかったか わかる？」

「お前を死の淵に誘ったのは… 秋元だ」


太輔の悲しみ… 苦しさ…


そして… 怒りがわかる。


「そう… だね… でも… 」

「でも… 」


え…


「アイツは… 秋元は、俺と同じ」

「偉そうなこと言えない。俺も… お前を傷つけたから」


あ…


「それに… 俺は、秋元より… 最低最悪なことをした」
うん…

「１人は 孤独だからと… 最低な選択をしようと… 」
太輔…


シーン…


「反省した… アイツも俺も」
反省？


柚菜さんが？


「さっき… 皆が俺を救ってくれたって言っただろ？」
あ… うん。

「あれ… 秋元も救われたんだ」
え…


柚菜さんも？


「きっかけは… やっぱり凛斗」
凛君…


「みつが言ってた… 凛斗が秋元を許したって」

「それからだよ… 秋元が反省したの」


そうなんだ…


柚菜さんも… 凛君に救われたんだね。


「でも… 俺、まだアイツを許してない」
え…


「俺、アイツに言った… 」


シーン…


「お前の… 」
私？

「ひまわりの笑顔を見るまで許さないって」
え…

「卑怯だと思ったけど アイツを許すための最低の条件だ」


ひまわりの笑顔が…


許す為の最低の条件。


私の笑顔が柚菜さんの許しなんだ。

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