続・ようこそ！！青蘭高校へ！！ 【 ２１ 】

ニカのヒーロー ページ42

◆ 太輔・side ◆

兄さんにトイレの個室に押し込まれた。


ドキドキ…


「前 向いてろ」
？？


ずりっ！！


「なっ！？」
いきなりズボンを下ろされた！

「ほら、座ってやれ。点滴の位置気を付けろよ」
座って…


あ！そっか！

座ればいいんだ！！なんだ簡単じゃん！！

これなら一人で出来る！！


「まったく… 世話がかかる奴」
兄さんは後ろを向いたままぼやいた。

「ごめん」
兄さんは肩で笑っていた。


用を足し 片手でズボンをあげた。

そして トイレを出てベットへ。


「つまらん」
は？

「もっと大騒ぎするかと思ったのに」
大騒ぎって…

「一樹の期待を裏切って悪いけど 絶対にありえないから」
絶対にないない。


兄さんも頷いた。


「でも」
ん？北斗？

「実際 いるんすよね？あっち系の人って… お目にかかったことないけど」
あっち系？

「ああ、いんじゃねぇの？あ、そう言えば ニカ迫られたことあっただろ？２つ上の… 名前忘れたけど。あん時、俺とガヤ、超ビビったよな〜… 」
俺と渉がビビった？


迫られて？


２つ上？


「あ！思い出した！！新歓の時だ！！」
新入生歓迎会！！

「… お… 思い出した… 」
ニカが目を瞑った。


思い出したくない記憶だよな… あれは…


「何々？どんなことされたの？」
ニヤニヤした玉と一樹。

「その… トイレでやられそうになったんだ」
ニカが目を瞑りながら頷いた。

「ニカ、めちゃトイレで大声出しててさ」
何度も頷くニカ。

「俺ら 慌てて駆け付けたんだ。でも… 事は済んでた」
へっ？って顔の皆。

「のびてたんだ… その先輩」
ドアを開けたら…


すでにノックアウト状態だったよな…


「のびてた？？ニカがやったの？」
俺と渉は首を振った。


ヒーローが現れたんだ…


「違う… やったのは… 」
チラリとニカを見た。



シーン…



「七海が一物に蹴り入れた」



シーン…



「い… 痛そう… 」
うん…


かなり悶絶してたもんな… あの先輩。


「橋野先輩って… 最強なんすね… 」
北斗がニカを見ながら言った。

「そう。俺らの中で、橋野だけには逆らわないってのがルールになった」
でも、一人だけルールに逆らう奴…

「え〜、ななちゃんは、そんなに怖くないよ〜！皆が怖がり過ぎ〜！」
お前だけだよ！


そんな風に橋野を見れるのは！！


「なるほど、ニカはドが付くほどのMなんだな」


一樹！！その通り！！


でも、ニカは怒るどころか 嬉しそうに頷いた。

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