続・ようこそ！！青蘭高校へ！！ 【 ２１ 】

体の傷 ページ3

『生きてる… 』


何度も… 何度も言った言葉。


最初は、何の気なしに聞いていた… でも、何度も繰り返す言葉に違和感を覚えた。


再び私を抱きしめつぶやいた…


『生きてる… 』と…


私の中で疑問が生れた。



「話して」



シーン…



「その腕のガーゼ… 擦り傷… 」

「それに、唇のアザ… 何？」


シーン…


「擦り傷は 転んだだけ」
転んだ…

「腕は… 点滴で… 」
点滴？

「両腕とも？」
黙った太輔。


ガーゼをめくりだした…


「！！… な… んで… 」
えぐられたような傷痕…

「… 点滴を何回も引き抜いたんだ… 」
！！


ガーゼをまた付け 私を見つめた。


「あと… これは… 玉に殴られた… 」
裕にぃに…



シーン…



「… お前の想像してることをしたんだ… 俺」
！！！



シーン…




私が…


想像したこと…



『生きてる… 』



「それは… 」

「芦田さーん！藤ヶ谷くーん！おはようございまーーす！」


はっ！！


「あ、芦田さんは 初めましてだったね。僕は… 」
看護師さんとお医者様たちが数名入ってきた。


ザワザワ…


カチャカチャ…


何だがいろいろ言ってるけど…

私の耳には入ってこない。


目線の先… 太輔が気になって仕方がない。


「… 藤ヶ谷君もまた… ダメでしょう？何回もこんなことしたら」
さっき剥がしたガーゼを綺麗に取り換えられた。

「もう剥がしたらダメだからね〜 」
素直に頷く太輔。


私の顔を一切見ない。

でも… 落ち着いてる…


「あ、そうそう」
？？

「松原医師は、午後の検査に２人を診るからね」
精神科の…


医師だったんだ… あの人…


「それまでは、２人でちゃんと話すようにって」
話す…

「… わかりました」
太輔はしっかりした口調で返事をした。


看護師さんたちは、私に付いている器具を外し医師と共に病室を出て行った。

再び静かになった病室…


「… 屋上 行かないか？」
え…

「雨も上がったし… 」
太輔が窓を見つめた。


綺麗な青空が見える…


「ちゃんと話すから… 」
太輔…

「うん… 」
ベットを降りた。


よろけそうになったけど、太輔が支えてくれた。

１週間寝ていたことで 筋力が弱くなっているのがわかった。

ゆっくり ２人で静かな廊下を歩き…


エレベーターに乗った。


そして…


雨上がりの病院屋上に２人で立った。



そこで…


太輔の告白を聞く。


耳を塞ぎたくなる… 告白だった。

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