続・ようこそ！！青蘭高校へ！！ 【 ２１ 】

大切に想ってる ページ11

コロンと手に乗った指輪。


キラキラと朝の太陽に輝き… とても綺麗だった。


泥だらけだった桜子さんの指輪。


「柚菜さん… 探してくれたんだ… 」
そして、こんなにも綺麗にしてくれた。


太輔の大切な指輪。

ん… ？気のせいかな？指輪があったかい気がする。


あ… ううん、違う。皆が探してくれたって聞いて 心があったかくなったんだ。

皆の想いが指輪に伝わって… あったかいんだね。


「綺麗… 本当に… 」
小さなダイヤがキラキラ。


２人で桜子さんの指輪をいろんな方向から眺めた。


キラキラ…


「あ… チェーンが違う… 」
新しい…

「ああ… 引きちぎったから… 直らなかったんだろう」
そうかもしれない…


ゆっくりチェーンの留め金を外した。


元の場所へ…


「ん？… 何？」
太輔の首に近づいた。

「え… あ… 」
抱きつくようにし金具を留めた。


ゆっくり太輔から離れた。


「… ありがと」
うん…

「… これで元通り。良かったね… 桜子さん」
胸の定位置に納まった。



シーン…



あれ？



無言？



「太… 」

「笑った… 」


え…


「やっぱり… お前… 笑った」
え…


「笑ってるよ… 今… 笑ってる… はは… 」

「お前… 少しだけど笑ってる」


そうなの… ？


「ごめんな… 本当に… 」




シーン…




「俺が笑顔を奪ってるのに… っ… ！！」


た…


太輔…


「後悔しても後悔しても… ごめ… 過去には戻れないんだ」
あ…


「戻れないんだ… 本当に… ごめ… 」

「愚かだった己の甘さを悔いてる… 人のせいにしたいほど… 過去をなかったものにしたい… 」



シーン…



「でも… それは 許されない」



シーン…



「自らの罪は己自身で償わなくてはダメなんだ」
己自身の罪…

「人を傷つけた罪」
罪…


シーン…


「秋元もそう思ったのに違いない… 」

「だから 探してくれた」


柚菜さん…


「皆… 皆… 探してくれた」
うん…

「皆がお前を大切に想ってる」
うん…


あ…


太輔が私をふわりと包み込むように抱きしめた。


「俺もお前を大切に想ってる」
太輔…


「愛してる… A」


「愛してるよ… 」



うん…



私も…



「私も愛してる… 大好き」

「太輔… 」



あなたを愛してる。


だから… 私は信じる。



太輔は、もう二度と命を粗末にしない。

だったら…



「許すね… 」



あなたがしたことを… すべて許す。

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