続・ようこそ！！青蘭高校へ！！ 【 ２０ 】

病室の気配 ページ20

△▼ 高嗣・side ▼△

さっきから感じる気配…


Aちゃんの部屋から感じる…


幽霊かな？と、思うけど… 嫌な感じじゃない。


心のどこかでガヤの母親… 桜子さんかもしれないと俺は思った。


「ニカ それは例のやつが… 降りてきたってことか？」
降りてきた…

「ビンビン？？」
渉の言葉に…


俺は… また Aちゃんの部屋の方に意識を向けた。


感じる気配…


「ああ、きたね！ビンビンに！！」
間違いない…


これは、桜子さんの気配。

でも… もう その桜子さんは部屋から出ようとしてる…

そんな気がするんだ…


「目覚めの時がきてるんだ」
皆が俺を見ていた。

「目覚めの時？… 本当？A起きる？」
伊吹ちゃんが俺をじっと見つめた。


曇りなき… 澄んだ瞳。

意志の強い輝きの瞳。


「うん、本当。ガヤの声で目覚めるよ」
ガヤの声が導くんだ… だから皆がいたらダメ。

「わかった… 私、待ってる… 」
うん…


偉いぞ、伊吹ちゃん。


「早にぃも竜パパも… 待ってよ、マンションで」
皆が２人を見つめた。


シーン…


「… わかった。俺もマンションで待つよ」
！！

「おじさんもいいですね？お母さんも」
２人が頷いた。


これでよし…


ん？


「… 何だよ… 」
七海が俺を見て笑った。

「ううん、やっぱ 高嗣が好きだなぁ〜って」
なっ！？


好き！？


「ななちゃ〜ん！！」
ラブーー♪♪


パシッ！！


「ィデッ！！何で叩くの！？」
デコを叩かれた！！

「こんな所でいちゃいちゃしない！！」
うっ…


いいじゃん…


たまには…


「俺、少しいる」
え…


ザワッ…


「一樹！？」
一樹さん？？

「いや、別にずっといるわけじゃない」
え…


どういうことだ… ？


「あのお嬢様が指輪を持ってくるまでいるってこと」
あー！！秋ちゃん！！


そうだった！！

クリーニングしてるんだ！！


「太輔にさ… ちゃんと戻してやりたい」

「それに… もう… あのお嬢様を許してやんなきゃ… 」


一樹さん…

秋ちゃんを許してくれようとしてる…


「指輪を受け取って 太輔の枕元に置いたら帰るよ… ダメかな？早瀬… 」
早瀬さん…


シーン…


「… わかった。俺もいるよ」
！！

「待つよ… あの子を」
早瀬さん！！


よかった…


秋ちゃん… 良かったね。


はっ！！


感じる…


また あの気配…


意識を集中…


シーン…


「わかった… 」


俺は、早瀬さんにそっと伝えた。

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