続・ようこそ！！青蘭高校へ！！ 【 １９ 】

開いた扉 ページ20

☆☆ 裕太・side ☆☆

ドアの所…


辻さんがいる。


「太輔様が… なんで？私なんかに？」
それは…

「何でだと思う？」
静かになってしまった。


シーン…


「嘘です… そんなわけありません… 知ったらそんなこと言うはずがない」
カチン！！


ドン！！


「おい… 玉森く… 」

「ガヤは嘘なんかつかない！！そんな男じゃない！！」


俺は、ドアを何度も叩いた。


「… ガヤのこと知ってるくせに… ３年以上一緒にいたくせに 気づかなかったって言うのかよ… 」
バカ野郎…


「ガヤは、あなたが好きな桜子さんの息子で… ずずっ… お義父さんの息子で… 」

「優しさの塊みたいな奴で… 時に弱いけど 本当は強い… 」


２人と同じように…


「慈しむ心を知ってる… 愛を知ってる」

「そんな奴が恨んだり嫌ったりするわけない！ましてや、今まで見守ってくれた恩人にそんな仕打ちはしない！絶対にない！！俺の親友だ！！バカにすんな！！」


シーン…


「玉森さ… 」

「ガヤは… 本当に感謝したいと思ってる」


信じて…


嘘じゃない…



ガチャ…



え…



キィ…



シーン…



「玉森様… 申し訳あり… ません… 」
！！


「辻… さぁ〜… ん」

「辻… 」


出てきてくれた…


泣き顔ぐちゃぐちゃで 俺の前にぐずれ落ちるように座った。


「太輔さ… ま… 太輔様… ずずっ… 」
うん… うん…

「ガヤはわかってる… わかってるんだ」
俺は肩を優しく叩いた。


松原医師も片方の肩を優しくぽんぽん。

俺たちはしばらくの間 その場で泣いた。


プ〜ン…


パチッ☆！！


「イテッ！！」
いきなり平手！？

「あ、悪い、蚊」
蚊！？


松原医師の手の平に血。


「泣いて体温が上がって蚊が寄ってきたんだ」
そう言えば…

「うげっ！？かゆ！！」
気づけばいっぱい刺されていた！！


かゆーーーーーい！！


「うぎゃーーー！！嫌だーーー！！痒いーーー！！」
痒い痒い痒いーー！！

「… 辻、悪いが上がらせてもらっていいか？」
え？


ギィ…


「どうぞ… 狭い所ですが」
ドアが全開に…


辻さんが少し笑った。


「お！お邪魔しまーーす！！」
慌てて入った。


ペタペタペタ…


「… 可愛いのあるんだな」
うっ…

「コレ、アンパンマンだよな？」
そうです…


痒み止めのムヒ・パッチ。

それも なぜかアンパンマンバージョン。


桜良でもこんなに貼らないなぁ〜と思いながらアンパンマンを顔や手に貼った。

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