俺の役目 ページ18
☆☆ 裕太・side ☆☆
照れくさそうにこちらに手を見せ はにかんでる桜子さん。
お義父さんも爽やかに笑い、誇らしげに肩を抱いていた。
「辻さん」
俺は声をかけた。
「この指輪って、辻さんと奥さまが見立てたんですよね?」
すすり泣く声が止まった。
シーン…
「綺麗な指輪でしたよね。俺、一度しか見てなかったけどそう思いました」
ガヤのネックレスについてた指輪。
「奥さまのセンスいいですよね。俺が綾瀬に贈った婚約指輪なんて… 超〜 酷かったですから」
今、思い出してもアレはないだろと思うほど酷かった。
バイト1か月分の給料しかなかった為、シルバーのリングしか買ってあげれなかった。
「お義父さんはさすがですね、何か月働いたんでしたっけ?」
ドアに質問した。
シーン…
「… 1年」
!!
答えてくれた!!
「そうだ!1年だ!でも、何のバイトだったんですか?」
続けざまに質問した。
「えっと… 初めは、ファミリーレストランで… 」
ファミレス!?
お義父さんが!?
「でも、意外に不器用でらして… お皿30枚ほどを一気に割ってしまい… クビに」
へっ!?
「ぶっ!!そうそう… そうだった!そうだった!!あはははは!!」
松原医師が横で大笑いし始めた。
お義父さん… 30枚は ないです…
「その次は!?」
気になる…
「ガソリンスタンドでした」
えーーー!?
藤ヶ谷家の御曹司が!?
「あれは良い自給だったよなぁ」
松原医師が頷いていた。
「慎太郎様は… 夏の暑い日も雪の凍えそうな日も… 頑張ってました」
「アルバイトに勉学… ほとんど寝てらっしゃいませんでしたね… 」
写真をよく見ると…
桜子さんの肩の上の手… たくさんの絆創膏。
「この指輪は、本当にお義父さんの想いが詰まってるんですね」
血と涙の結晶だね…
「やっぱり お義父さんには敵わないなぁ… 俺」
全然ダメだ…
「もっと努力しないとな!うん!」
心に決意。
シーン…
「ん?何で静かなんです?」
松原医師も辻さんも無言。
「いや… 君は… なぁ、辻?」
へっ??
シーン…
「何?辻さん?ちょっと黙んないでよ!」
松原医師がくすくす笑う。
「あ!辻さんも笑ってるっしょ!何だよ!2人して!」
ドアの向こうで笑ってるかはわからない。
でも、俺がしてやれること…
それは、悲しみを和らげてあげること。
それが俺の仕事。
プロフェッショナルカウンセラーの役目。
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亀猫(プロフ) - 恭子さん» 恭子さん!おはようございます!!お返事が遅くなってしまって申し訳ありません!!わかりやすくですね!わかりました!頑張ってみます!!でも、今までのは書き直しが出来ないのでお勘弁を(>_<) 私の小説を好きって言ってくれて嬉しかったです!ありがとう!! (2015年7月31日 9時) (レス) id: 5525564cd8 (このIDを非表示/違反報告)
恭子(プロフ) - 気分を害してしまったら申し訳ありませんm(__)mですがホントに亀猫さんの小説はだいすきです生意気言ってすみませんm(__)m (2015年7月29日 19時) (レス) id: eb14d69d05 (このIDを非表示/違反報告)
恭子(プロフ) - いつも楽しみに読ませてもらっています(*´∇`*)今頃なのですが大変お恥ずかしながら読解力のないは私どうしても誰が喋ってる場面かわからない部分がありまして頭を悩ませておりますそこで恐れ入りますが是非そこを分かりやすくして欲しいですご検討お願いいたします (2015年7月29日 18時) (レス) id: eb14d69d05 (このIDを非表示/違反報告)
亀猫(プロフ) - 皆様へ。「続・青蘭」はパート20に移行しました。コメをくださる方は、パート20にお願い致します。いつも読んで頂きましてありがとうございました!!(*^_^*) (2015年7月19日 14時) (レス) id: 5525564cd8 (このIDを非表示/違反報告)
亀猫(プロフ) - 藤北 麗耶さん» 覚えてるよ!!当たり前でーーす!!パート19最後に麗耶ちゃんだなんて!(笑) 学校頑張ってた?忙しかったかな?麗耶ちゃんこそ無理しないでね(*^_^*) では、今からパート20に移行!よしゃ!頑張るぞ!!またよろしくお願いします!! (2015年7月19日 14時) (レス) id: 5525564cd8 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:亀猫 | 作成日時:2015年4月29日 13時