続・ようこそ！！青蘭高校へ！！ 【 １９ 】

辻さんの叫び ページ12

☆☆ 裕太・side ☆☆

車が来客用駐車場に止まった。


俺は、助手席を素早く降りた。


「ぅえぇ〜… っく… 」
おっと… いけね！


小さな手がにぎにぎ…


「〜ぅ… あ〜… ん」
俺にしっかりしがみついた桜良。

「やっぱりパパがいいのね… 」
おいおい…


すぐにヤキモチを妬く…


「ママもパパが良いもんね〜♪」
真っ赤な綾瀬。

「し、知らない！」
おろ？


急になんだよ… いつもなら… あ！

いたんだ！松原医師！！


「ははは！！仲良しパパとママだね」
かぁ〜っと２人で赤くなった。

「桜良ちゃんは、ママ似かな？ん〜？？」
松原医師が桜良のほっぺをちょこちょこ触った。

「きゃ〜あ！きゃは〜！！」
大喜びの桜良。


松原医師が嬉しそうに俺たちを見た。


「思い出してくれるといいな… 幼き太輔君を… 」
あ…

「はい… 」
３人で管理人室を見た。


辻さん…


「行こう」
はい！！


桜良を抱き 綾瀬の手をしっかり握り管理人室に向かった。


ピンポーン…


ピンポーン…



シーン…



ドンドンドン！！


「辻！いるんだろ！」
松原医師がドアを叩いた。

「辻さん！俺です！玉です！」
俺も叩いた。


シーン…


「… いないのかな？」
綾瀬が不安そうに俺を見た。

「… いや、いる」
え…



カサッ…



カタン…



微かだが中から音が聴こえる…



「辻！いい加減にしないか！！」
！！

「綾瀬ちゃんも心配してる！慎太郎もだ！！」


ガタン！！


いる！！


「辻さん！開けて！お願い！！」
綾瀬が必死に声をかけた。


でも…


シーン…


「辻… 」
辻さん…


静かになった。



シーン…


「辻さん… 」

「玉森様、… 私は大丈夫でございます」


！！


「わざわざ来て頂いて… 申し訳ありません」

「松原も… 私は大丈夫だ… 」


ドン！！


「開けろ！！辻！！」
松原医師！！

「帰ってください！！」
つ…


辻さん…


「私が… いけないのでございます… 私が… 太輔様を… 不幸に… 」
まただ…


『太輔様に謝りたい… 』


「そんなことはない… 太輔君は… 」

「私が！！桜子様を殺した！！」


！！！


！？！？


「私が… 私が… うぅ… ぅ… 」


辻さんが… ？


「桜子さんを… … 殺した？」
綾瀬を見た。


首を振った綾瀬。


「違うわ… そうじゃない… 」


どういうことだ…


それは…



俺は、２人から辻さんの過去を聞いた。


悲しい辻さんの過去だった。

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