【d!】液状生命体【gr】 (ページ1)

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一滴ページ1

「シスター！こんにちは！」

『こんにちは、今日も元気ですね』

シスター。私はそれを誇りに思う。

午前中は子供達に勉学を学ばせ、お昼には神様に感謝・お祈りを捧げ、午後には病人や老人のお世話をする。

この上ない献身的で充実した生活。幸せを感じていた。

しかし、それが一生続くことはない。

不幸が起きてようやく幸福を実感する。不幸は神様が与えてくださった試験なのだから。

「どうか、どうかっ、お助けを…！！」

悪魔狩り。

最近子供達が忽然として消える事件が相次いで教会に助けを求めにきた。

献身的で神様に忠実なシスターは民衆を救うべく、みんなの声に快く快諾した。

昼は万全の準備をして、夜に出発する。

手元には松明、胸元には十字架が月光を、それぞれが鈍く光りながらも足を前に前にと進めた。

人間というのは不思議なもので、暗闇を怖がってしまう節がある。

本能的に震える手をもう片方の手で制しつつ、草木を掻き分けて森へと入っていった。

植物に松明の火が燃え移らないよう手元に集中していると足は植物に切られたりどこかに引っかかったりとボロボロになって血がじんわりと滲む。

他のシスターと一緒に探索すれば良かった。

そう後悔の念に囚われて早く朝日が昇ることを待ちわびていると、ゾワっと悪寒が身体中を駆け巡る。

「……人間」

『…あ、悪、魔……？』

松明の光を遮り、その光すらも吸収してしまいそうな程真っ黒な塊は目の前にあった。

それは今もなおドロドロと形を不規則に変えながら位置的に口付近の場所を握りこぶしくらいの穴が空いて野生動物の唸り声のような、黒板を引っ掻く音よりも不愉快な音がそれから発された。