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あれから数日経って、私は何もかも諦める覚悟を決め始めた。
ソラ「今日はバイオリンのお稽古です。」
「そう、準備をするわ」
私は自分の置かれた状況、そして立場を分からなければいけない。
心の奥の思いを閉じ込めて、今日も気高く美しく
星ヶ崎セナを生きていく。
ソラ「お嬢様、そろそろ婚約発表の準備が進んでいると聞きました。」
「…そう」
ソラ「本当に、それでいいんでしょうか」
「なんでソラが悩むのよ」
ソラ「…いえ」
全て受け入れる。
もうそれ以外何も無い。
「私はこういう運命なのよ。仕方ないでしょ?」
ソラ「…」
「あの婚約者は好きじゃないわ、なんだか怖いもの…あの人の恋愛観がよく分からないし知りたいとも思わない」
まるで真っ暗な闇の中、ただ自分に向けられた愛だけを探しているようで。
それを真実だと思う価値観も、それを押し付けられるのもごめんだわ
「…諦めるしかないのに、未だに諦められないの」
自分の立場や状況じゃなくて君の事。
本当に素敵な夜の事。
大事な思い出にしなくちゃ…
なんで、なんでかしら
私が普通の女の子だったら?
月の国の人だったら?
国王の娘じゃなかったら?
星ヶ崎セナじゃなかったら…?
貴方は…私を見つめてくれたのかしら
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メロンパン - お久しぶりです。受験、終わりました。やっと、セピカさんの話読めます!私、この非現実的な話好きですわ。これからもよろしくです! (2021年3月16日 19時) (レス) id: 4669bf361c (このIDを非表示/違反報告)
葵 林檎 - 情景が浮かびやすくて、とても綺麗な感じだから、めっちゃドキドキして読んでいます…! この二人は、どうなるんでしょうか…?! 更新、頑張って下さい!めっちゃ応援してます…! (2021年2月17日 16時) (レス) id: 2561b1222b (このIDを非表示/違反報告)
狼狐(うるふぉっくす)(プロフ) - 自分も許されない恋をしているので、主人公にすごく共感できます…。 (2021年1月29日 19時) (レス) id: df161cba77 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:セピ | 作成日時:2021年1月25日 21時