刀 ページ29
私と太宰さんは、
とある現場に来ていた。
傷害事件が起きた現場である。
何者かが、刃物のようなもので数十人を切りつけた事件だ。
最近横浜では、似たような事件が続いている。
亡くなった人はいないが、
重軽傷が大勢出ている。
「しかも面白いのが、
切りつけられたのは、
犯罪組織などの犯罪者が主で、
世間では犯人のことを
��正義の味方��扱いする人もいる……。」
人って面白いねぇ、
と思ってもないだろう事を、
太宰さんは肩を竦めながら呟いた。
『負傷者の切り傷を見ましたが、
長い鋭利な刃物で切りつけられていましたね。
刀、とかでしょうか…？』
「おや、そんな事まで判ったのかい？」
態とらしく驚いた様な顔をする太宰さん
『まぁ、之でも長生きしているので、
意外と知識はあるんですよ。』
��刀��
その単語に何故か反応してしまう。
(何だろう。
なんか頭が痛い…)
痛みを抑えるために、
右手で軽く頭を抑え
気をまぎらわせるために
左手にある資料を読み始めた。
資料を読んでいると、暫く黙っていた太宰さんが口を開いた。
「…………君の昔話、
聞いたよ。」
その言葉に特に反応することも無く、
私は、そうですか、とだけ呟いて資料を読み続けた。
「大変だったね。…」
流石にその言葉には目線を上げた。
転生する前、文ストファンだった私は、
太宰さんの過去も勿論知っているので、
辛い過去を抱える彼が、
それよりも
あの冷淡なポートマフィアの元幹部が、
そんな言葉を吐くのが少し予想外だった。
『お気遣い……どうも、？』
何と返せば良いか判らず、少し戸惑いながらに返答しまう。
その間に少しずつ収まってきた頭痛に安心して、
頭を抑えていた手を戻そうとすると
「………………君が知らない、君の昔話を教えてあげようか。」
太宰さんのその言葉で、
私の頭はさっきと比にならない程痛み始めた。
が、今はそんなこと関係ない。
『私の知らない、
私の、昔話、…？』
「嗚呼。」
そう言って太宰さんは微笑んだ。
私の頭は、続きを聞くことを拒むように
尋常じゃない程痛んでいた。
＿＿＿＿＿＿＿＿まるで警告をする様に
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lokiloki - こちらの作品をとても気に入ったのでプレイリストに載せさせてもらいます ※自分の作品を消したい場合はお手数をかけますがプレイリストの 【おもしろ度を投票】の上にある 【リストから削除】からやるか、プレイリストのコメントから作者に言ってください (4月19日 22時) (
レス) id: 388da595fc (このIDを非表示/違反報告)
key - お疲れ様です。 (2021年7月30日 11時) (レス) id: 007fbd0124 (このIDを非表示/違反報告)
*深音*(プロフ) - すごく面白いです！更新待ってます！ (2020年3月5日 17時) (レス) id: 3a5cebd5e2 (このIDを非表示/違反報告)
ライ(プロフ) - 面白いっ！素敵な作品をありがとうございます。これからも更新頑張って下さい！応援しています。 (2019年8月18日 18時) (レス) id: 2ac506ad59 (このIDを非表示/違反報告)
ロイ(プロフ) - まなさん» ありがとうございます！こんな長文いただけでとても嬉しいです！！頑張って更新していくので、これからもよろしくお願いします！ (2019年8月15日 16時) (レス) id: dd33592cf0 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ロイ | 作成日時：2019年4月17日 22時
