太宰 治 ページ19
「ただいまー……」
小声で帰宅を告げると、私は静かにドアを閉めた。
羽織っていた黒外套を無造作に玄関に放り出す。
時刻はとうに12時を回っていた。
…………Aはもう寝てるだろうなぁ。
自分の袖を顔に近づけ、匂いを嗅ぐ。
今日は指揮官の仕事だけだったが、返り血や硝煙の匂いがついてないか心配だった。
「んー…………一応シャワー浴びとくかぁ」
起こさないように忍び足で私は浴室へと向かった。
「ああ、さっぱりした」
私は清々しい気持ちで、今度は寝室へと足を向けた。
ゆっくりとドアを開けると、微かな寝息。
「…………真ん中に寝られちゃあ、私が寝れないじゃないか」
小さく文句を言いながらも、私の口からは笑みが溢れる。
よっこらせ、とAをひっくり返してスペースをつくると、同じ布団に潜り込んだ。
「ん、おさむ…………?」
「あ、起きちゃった?ごめん」
トロンとした目で頷くA。
と、唐突に此方に抱きついてきた。
「わ、ちょ…………!」
「おさむ、良い匂いがする…………」
…………お風呂入って正解だった!
思うと同時に無防備なAに我慢がきかなくなった。
チュ。
鳴らしたリップ音は小さい割には存外部屋に響いた。
Aの目が驚いたように見開かれる。
「ごめん、理性崩壊」
「このまま朝まで貪ってもいいよね?」
**********
太宰「星よりずっと貴女の方が美しいに決まっている」
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青鯖ぷりん - 久ちゃぁぁん…高評価するぅぅ‥! (10月17日 21時) (レス) @page11 id: 496914e067 (このIDを非表示/違反報告)
琴音 - だざいさぁぁんさいこぉ! (10月8日 6時) (レス) @page5 id: dfae0f9c2a (このIDを非表示/違反報告)
ゆかりん - フランシスさんすこ (9月15日 22時) (レス) @page23 id: 5c0b36b6f1 (このIDを非表示/違反報告)
猫助 - 最高です! (8月16日 23時) (レス) @page4 id: 0088b760fa (このIDを非表示/違反報告)
千羽鶴 - 梶井さーん!ドSなとこも好き!違うバージョン梶井さんも見たい (6月18日 23時) (レス) @page15 id: ecb3ef0346 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:久田 螺々亜 | 作成日時:2016年4月8日 21時