【文豪ストレイドッグス】suddenly kiss【短編集】

フランシス・スコット・キー・フィッツジェラルド　　　───ドS ページ36

「こら、こっちに来たまえ」

何度言おうと、Aは首を振って、お得意のイヤイヤをするばかりだ。

「今、オルコットの作戦の手直ししてるんです。後にしてください」

……強情な奴め。

Aは此方に振り向くこともなく、一心不乱に書類と闘っている。

暫く手は出せないか、と思う反面、それはそれでなんか悔しい。

「おい」

返ってくるのは沈黙。

余程邪魔されたくないらしい。

となると、やることは自ずと定まる。

「団長のお願いを無視する気か？A」

わざと大きな靴音をたてて彼女の後ろに立つ。

ポケットに入れていた両手を出してAの両肩に乗せると、ビクリと身体が動いた。

身を乗り出して、その端正な顔をAの真横に置く。

「わ、私にもやらなきゃいけないことがあるんです！」

「それは俺よりも大事なことなのか？」

肩を掴む手に力がこもる。

「俺にとっての一番はお前だ。だからお前も俺を一番に考えろ」

するりと両手を前へと滑らせ、Aに密着するかたちで後ろから抱く。

「こっち向け」

素直に視線を合わせてきたAの唇にキスを落とす。

俺のものだと主張するように深く。





「この蕩けた表情が見たかった」

「此れからは素直に俺の言うことを聞けよ？」

＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊

フィッツジェラルド「この先が欲しい？俺に星をプレゼントしてくれたらな」

＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊

ドＳって何。

ただの俺様にしかならなかった感やばい。

国木田 独歩 ───ドＳ→←谷崎 潤一郎 ───ドS

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