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双黒 <太宰 治 ・ 中原 中也> ページ14

※夢主視点

「あの作戦コードは間違いだったかなぁ」

「そうだとしたら手前を一生恨む」

…………来た!

組織内でトップの攻撃力を誇る、双黒。

その二人が、今まさに私の目の前を通りすぎようとしている。

…………一時間も待った甲斐があった!

「あ、あの!怪我の手当てを!」

抱えていた救急箱を前に突き出し、頭を下げる。

果たして、二人は私の前で足を止めてくれた。

「大したもんじゃねーよ。治療は要らねぇ」

「とか言いながら中也、君、しみるのが嫌なだけだろう?」

それに、と太宰さんは私の頭に手を置いた。

軽い感触に、一瞬で顔が赤くなる。

「せっかく待っててくれたんだから、厚意に甘えようよ」

「ちっ。どうせその女に手出す気だろう。…………ってお前どうした!?」

慌てた声を出す中原さん。

そして私の両頬を大きな両手で包み込んできた。

そのまま上を向かせられる。

…………う、わ…………!

はるか雲上の人と思っていた双黒の二人が、私を心配そうに見ている。

「顔真っ赤だぞお前!熱でもあんのか!?」

貴方のせいです。

口を開こうにもパクパクと空振りするだけで。

と、太宰さんがニヤリと笑った。

「私はいい治療法を知っているけど、中也?」

「は!?早く言えよぐるぐる包帯!」

「これだよ」

私の唇に熱い感触。

キス。

決して押しつけがましいものでない、それでいて重いもの。

自然と見開かれた目に、中原さんの姿が写った。

直後。

「どけ」

視界から中原さんが消えた。

否、私の視界には入りきれないほど近い距離にいた。

太宰さんの気配が離れて、次の瞬間には中原さんからキスされていた。

太宰さんとは違う、何処までも落とされそうな深いもの。

…………夢、なの?





「今宵は私の腕で眠ってくれるかい?」

「奪わせろ。手前ェの全てを」

**********

太宰「評価したまえよ?」

中原「なんで上から目線なんだよ…………」

梶井 基次郎→←ハワード・フィリップス・ラヴクラフト



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青鯖ぷりん - 久ちゃぁぁん…高評価するぅぅ‥! (10月17日 21時) (レス) @page11 id: 496914e067 (このIDを非表示/違反報告)
琴音 - だざいさぁぁんさいこぉ! (10月8日 6時) (レス) @page5 id: dfae0f9c2a (このIDを非表示/違反報告)
ゆかりん - フランシスさんすこ (9月15日 22時) (レス) @page23 id: 5c0b36b6f1 (このIDを非表示/違反報告)
猫助 - 最高です! (8月16日 23時) (レス) @page4 id: 0088b760fa (このIDを非表示/違反報告)
千羽鶴 - 梶井さーん!ドSなとこも好き!違うバージョン梶井さんも見たい (6月18日 23時) (レス) @page15 id: ecb3ef0346 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:久田 螺々亜 | 作成日時:2016年4月8日 21時

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