花が1輪 ページ41
「もういい
鶴丸、今から毎日“厚樫山”に単騎出陣してきなさい」
「…わかった」
＿＿＿＿
俺達は伊達政宗公の命を狙う時間遡行軍を討伐しに仙台藩へ出陣していた
隊長が俺、鶴丸国永
他は燭台切、大倶利伽羅、太鼓鐘、歌仙、小夜
燭台切がお気に入りだったはずの主は、珍しく俺を隊長に任命した
いつものように、さっさと倒して戻ろう
最初は主も優しかったんだ
燭台切に過度な愛情を注いでいても、俺たちにも普通に愛情をくれた
軽症でもすぐに手入れをしてくれたし、疲労が溜まったと思ったら休ませてくれた
全部、俺のせいだったんだ
俺が油断して、大太刀に切られそうになったとき、燭台切が俺をかばって切られたんだ
「これでは、かっこつかないか…
ごめんね、鶴さん…」
俺達が駆け寄る間もなく、燭台切は折れてしまった
あの時の燭台切の淡い笑みを俺は忘れられない
本当に帰城すると、待っていたのは罵声の嵐だった
“何で鶴丸が折れなかったのか”
“なぜ燭台切は鶴丸を庇ったのか”
“鶴丸が折れればよかった”
この日を境に主は別人のように変わってしまった
そして、俺は単騎出陣を繰り返し、だんだんボロボロになっていった
もう倒れてもいいか
そんな思いに心が満たされてしまい、敵に切り倒された
そんな時に、A、君のおばあさんである花菜の本丸の部隊と遭遇した
「しっかりするぜよ！おいっ！！
生きちゅうか！？」
陸奥守の声に返事ができず、俺は本体を握りしめた
「生きちゅう…！！
急いで本丸に運ぶぜよ！！」
「そんなことして主に怒られでもしたら…！」
「長谷部は頭が固いんじゃ！
主がそげんこというわけない！！」
俺はそのまま陸奥守に担がれて、別の人の本丸に運ばれた
そして、丁寧に手入れをしてもらったんだ
＿＿＿＿
「世話んなったな
俺は戻らせてもらうぜ」
すぐに帰ろうとしたんだが、心が重い
また、あんな無茶な行軍をさせられるのだろうか
燭台切を折ってしまった俺の責任なんだがな
「…まるで迷子のような顔ね」
ため息混じりに苦笑いされた
花菜は俺の気が済むまでここに居ていいと言ってくれた
なぜ、見ず知らずの俺にここまで優しくしてくれるのだろうか
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夷空斗(プロフ) - 蒼い薔薇さん» コメントありがとうございます！なんとか完結させることが出来ました！この話を読んでいただきありがとうございます！！ (2018年9月29日 19時) (
レス) id: 607aafe4eb (このIDを非表示/違反報告)
蒼い薔薇(プロフ) - 完結おめでとうございます！最後の展開には、ウルっと涙腺が緩んでしまいました！この小説を読んで鶴丸がもっっと好きになってしまいました。本当に最高の作品でした。 (2018年9月29日 0時) (レス) id: ac233dda56 (このIDを非表示/違反報告)
紗衣(プロフ) - 私もいつもコメントを返していただけて嬉しいです！コメントを通して作品の励みにしていただけて、お話できて良かったです！次作を書かれるのならばすごく楽しみです！こちらこそこの作品に出会わせていただいてありがとうございます！ (2018年9月17日 22時) (レス) id: 7d9698e044 (このIDを非表示/違反報告)
夷空斗(プロフ) - 紗衣さん» 紗衣さん、いつもコメントありがとうございます！本当に励まされました！素晴らしい作品と言っていただき、本当に嬉しいです！！最後まで読んでくださり、本当にありがとうございます！ (2018年9月17日 22時) (レス) id: 607aafe4eb (このIDを非表示/違反報告)
紗衣(プロフ) - 毎日この話を読むためにこのサイトを開いて更新を楽しみにしていました。完結したのだと知って涙が止まりません…本当に素晴らしい作品でした…。夢主ちゃんと鶴丸が向こうの世界で幸せになってくれればと思います。完結おめでとうございます！この作品が大好きです！！ (2018年9月17日 21時) (レス) id: 7d9698e044 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：夷空斗 | 作成日時：2018年9月2日 0時
