鶴が五十五人 ページ7
鶴丸が、私のおばあちゃんが鍛刀した刀では無い？
え、ちょっと待って
理解できない
じゃあ、おばあちゃんは他の本丸の刀を奪ったの？
呆然と立ち尽くしていた私の肩を三日月が揺すってくれた
「気を確かにもて、お嬢
鶴丸国永を取り戻しに来たのだろう？」
『っ！！そうだね、ごめん』
つい考えがマイナスな方向になってしまった
そのせいで本来の目的を忘れるところだった
『その事は私には関係ありません
さらったとお尋ねしてその回答だと、国永がここに居るって事で良いんですね？』
私が改めてそう聞き返すと、刀澤さんは黙りした
『会わせて下さい』
「それはダメよ」
即答された、なぜ鶴丸に会ってはいけないんだ
私の刀なのに、なぜ他人の許可が必要なんだ
三日月は抜刀寸前まで怒りを顕にしている
私は三日月の手を握り、刀を抜くなと力を込めた
『何故会ってはいけないの…？
私たちが、国永があなた達に何をしたのっ！？』
思わず叫んでしまった
こんな理不尽なことがあってたまるか
急に行方不明になり、やっと見つけたら会わせない
悔しくて目から涙がこぼれてきた
「この2人を切り捨てなさい」
刀澤さんの声に反応して現れたのは、6体の時間遡行軍
…そう言えば、時間遡行軍って何者なんだろう
そんなこと考えたことなかったな
「抜いても良いだろう？」
『ちょっと待って！』
気づけば刀澤さんはいなくなっていた
私は三日月の刀を抑え、抜かせないようにした
『少しでいいの！時間を頂戴！』
少しだけ見つめ合い、三日月が折れてくれた
「…なにか考えがあるようだな」
そう言うと、三日月は私の後ろに下がってくれた
一振りの短刀に近づき、異形な頭を優しく触ると動きが止まった
『その本体、貸してくれる？
…前田藤四郎』
遡行軍に向かって刀の名前で呼ぶと、一瞬ビクッとして大人しく刀を渡してくれた
手入れの要領で札を貼り、陰の気を払うように霊力を込めた
すると、遡行軍だった短刀は前田藤四郎の姿になった
「助けていただき、ありがとうございます
ずっと呪詛を受けてからあの姿だったので、名前を呼ばれた時はとても嬉しかったです」
やっぱり、この遡行軍何か違うと思ったらみんな粟田口の短刀じゃない
私は今のやり方でこの場にいた刀達を元の姿に戻した
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夷空斗(プロフ) - 蒼い薔薇さん» コメントありがとうございます！なんとか完結させることが出来ました！この話を読んでいただきありがとうございます！！ (2018年9月29日 19時) (
レス) id: 607aafe4eb (このIDを非表示/違反報告)
蒼い薔薇(プロフ) - 完結おめでとうございます！最後の展開には、ウルっと涙腺が緩んでしまいました！この小説を読んで鶴丸がもっっと好きになってしまいました。本当に最高の作品でした。 (2018年9月29日 0時) (レス) id: ac233dda56 (このIDを非表示/違反報告)
紗衣(プロフ) - 私もいつもコメントを返していただけて嬉しいです！コメントを通して作品の励みにしていただけて、お話できて良かったです！次作を書かれるのならばすごく楽しみです！こちらこそこの作品に出会わせていただいてありがとうございます！ (2018年9月17日 22時) (レス) id: 7d9698e044 (このIDを非表示/違反報告)
夷空斗(プロフ) - 紗衣さん» 紗衣さん、いつもコメントありがとうございます！本当に励まされました！素晴らしい作品と言っていただき、本当に嬉しいです！！最後まで読んでくださり、本当にありがとうございます！ (2018年9月17日 22時) (レス) id: 607aafe4eb (このIDを非表示/違反報告)
紗衣(プロフ) - 毎日この話を読むためにこのサイトを開いて更新を楽しみにしていました。完結したのだと知って涙が止まりません…本当に素晴らしい作品でした…。夢主ちゃんと鶴丸が向こうの世界で幸せになってくれればと思います。完結おめでとうございます！この作品が大好きです！！ (2018年9月17日 21時) (レス) id: 7d9698e044 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：夷空斗 | 作成日時：2018年9月2日 0時
