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「あら、Aちゃん?」
『佐藤刑事!』
最後に会ったのはあの観覧車爆発事件の時かもしれない。
『どうしたんですか?こんなところで。』
「今から帰るの。当番明けだから。」
『ってことは、今日は非番ってわけですね。』
「そういうこと。」
警察は大変そうだ、とつくづく思う。
いつも死と隣り合わせの仕事。
それに加え体力も必要だし、丸一日事件の調査で潰れることもある。
非番だったのに呼び出されるなんてざらにあるだろう。
『警察官って大変...。』
思わず弱々しく口に出すと、佐藤刑事は微笑んだ。
「警察官になる意志はどうしたの?」
『ちゃーんと、ここにありますよ!』
そう言って胸を拳で叩く。
「未来の日本は任せたわよ。」
『お任せ下さい!』
まだ不慣れな敬礼を本物の警察官に見せる。
『佐藤刑事も、陣平さんのこと、頑張ってくださいね。』
「松田くん?」
『私が頑張って連れ戻した人材なんです!大事にしてくださいよ。』
すっかり自分のことで精一杯で忘れていたが、佐藤刑事は陣平さんのことが好きなのだ。
あれからどうなったのだろう。
なにか進展はあったのだろうか。
『...でも、バレンタイン貰って喜ぶなんて、ちょっと私の事振り回しすぎじゃないの...。』
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作者名:hjnPRvuDEVdasep | 作成日時:2022年10月17日 22時