没ネタ １ ページ27
※Aとフーゴは恋人です ※本編とは一切関係ございません
「ねえフーゴ」
分厚い表紙の小難しそうな本に目を落としていたフーゴは、Aの呼びかけに顔を上げた。
「嫉妬深い女ってどう思う？」
些か唐突すぎる質問かとAは後悔したが、一度口から出た発言を取り消すわけにもいかず答えを待つ。
「どうって…別に何とも思いませんよ」
読書の邪魔をしたのがいけなかったのか、いつもの彼にしては冷たい答えに少しばかり辟易した。しゅんと明らかに気を落とす彼女に呆れた様子でため息をつく。
「その女は僕とどういう関係にあるんです？それによりますが」
「それは…」
先程の答えが余程ショックだったのか尻込みした様子で口ごもっている。フーゴは短く息を漏らして本を開いたまま机に伏せ、Aの髪に触れた。
彼女のことだから、自分が嫉妬深い性質を持っていることについてどう思うか知りたかったのだろう。ただ、それを恥ずかしく思うせいで直接的には聞くことができない…そこまで理解した彼は内心口角を上げていた。
「もしその女がAなら、僕はどう思うと思います？」
下を向きがちに戸惑っているいじらしい彼女に庇護欲を掻き立てられ、今すぐ腕に閉じ込めたい衝動に駆られる。それをぐっと堪えて、そっとAの頬に触れた。
「僕はあなたがどんなに嫉妬深くても愛してます。それは、あなたが一番よくわかっているはずでしょう？」
今まで彼が起こしてきた行動の数々を思い出して一気に体温が上昇する。触れられた頬から全て知られてしまいそうで、それを意識すると余計に熱が上がった。
如何にも愛おし気な視線を送ってくるフーゴにはどうも弱いらしく。
「こんなに愛している人からの嫉妬を邪険に思うほどよくできたやつじゃあありませんし、大体僕もあなたが他の人間に狙われてるかもしれないと思うと気が気じゃ」
「も、もういい！もういいから…」
もういい…と消え入りそうな声でいいながら顔を覆う彼女に、心臓が潰れてしまうのではと危惧するほど苦しくなり、Aの頭部に顔を寄せてゆるりと抱きしめた。
「あなたの望むことなら何でもやりますが、それ以前に僕はあなたを愛しています。僕はあなたのものです、A。」
僅かに空いた隙間から覗く頬と耳がより一層紅潮したのがわかった。
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淡深雪 肴(プロフ) - fenonさん» コメントありがとうございます。当方多忙の為更新頻度は落ちますが、定期的に皆様にフーゴをお届けできるよう善処いたしますのでこれからも是非ご愛顧下さいませ！ (2020年8月14日 10時) (
レス) id: 0d31e9065f (このIDを非表示/違反報告)
fenon(プロフ) - 本当に私得で大好きです。お気に入りさせていただきました！ (2020年8月14日 9時) (レス) id: 8dce9856e7 (このIDを非表示/違反報告)
淡深雪 肴(プロフ) - 伯さん» 伯様素敵なご感想ありがとうございます。作者がこだわっている点に気づいていただけて喜ばしく思います!! 至らぬ作者でございますが、今後とも本作品をご愛読ください! (2020年5月28日 10時) (レス) id: 0d31e9065f (このIDを非表示/違反報告)
伯(プロフ) - いつも楽しく読んでいます。出会いたての頃は大人びて見えたフーゴくんが、夢主と親しくなるにつれヤキモチやいたり慌てたり照れたりと年相応の一面を見せるようになるのがとても可愛くて好きです。素敵なフーゴくんをありがとうございます、今後も楽しみにしています！ (2020年5月28日 0時) (レス) id: bb5d92349b (このIDを非表示/違反報告)
淡深雪 肴(プロフ) - りんさん» りん様激励のお言葉ありがとうございます。作者のモチベーション維持にも関わりますので本当に嬉しいです…!! より一層精進して参りますのでこれからも是非ご愛読ください! (2020年5月27日 21時) (レス) id: 0d31e9065f (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：淡深雪 肴 | 作成日時：2020年5月3日 19時
