第一章 第十一話 ページ13
気が付くと朝だった。
昨晩のことなど気にならないくらいに深く眠りにつくことができた。
ふと携帯に目をやると通知が来ており、フーゴからのメールが来ている。
よければお茶しませんかという趣旨の文だったので、承諾し、着替えてからホテルの朝食を食べに行った。
待ち合わせは駅前でとのことだったので、遠出しても困らないように極力荷物を減らして出発した。
指定された場所に行くと彼は既に到着していた。
遅刻したわけではないのだが、「すみません、待ちましたか？」と遠回しに何時に来たか尋ねておくと、僕もさっき来たばかりですとお決まりのセリフを返され少し申し訳ない気持ちになってしまう。
これが約一時間前の出来事。
今は何故かギャングのアジトの前にいる。どうしてこうなった。
「すみませんA、こんなことになってしまって」
「いえ、お構いなく…」
「俺達は気にしないから、どうぞゆっくりしていってくれ」
元はといえばこの人だ。
フーゴがブチャラティと呼んでいるこの人は彼の上司らしいが、とても強引で、たまたま道で会った私達を会議があるから来いという理由で連れてきたのだ。
私がいる理由は全く分からないが、折角外出しようとしてたのに悪いから一緒に来てはどうかという彼の謎の気遣いによるものだった。
「あの、私ここにいていいんですか…？」
彼らは一応ギャングで、一般人の私が気軽に会議に参加していいものではないだろう。
触法行為も行っているだろうし、本音を言うとできるならそちらの道には関わりたくない。
「勿論だ。さあ入ってくれ」
ああ危険なニオイのするアジトへの扉が開いてしまう。
怖い。怖すぎる。私のようなただの日本人がイタリアのギャングの会議を傍聴することになるなんて一体誰が予想できただろうか。
フーゴの顔を見ると申し訳ありませんみたいな顔をしているが、そんな顔しても何にもならない。
こんなことを頭の中でぐるぐる考えても解決しないが、不安感を和らげるために少しでも自分の殻の中に閉じこもっていたいのだ。
というかもうとっくに扉が開いているが恐ろしくて前を向けない。
誰か何か切り出してほしい。気まずすぎて何もできない。というか何で誰も何も言わないんだ。私はドッキリにでもかけられているのか？
そう思ってビビりながら恐る恐る前を向いたその時、やけに既視感のある人物がそこにいた。
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淡深雪 肴(プロフ) - fenonさん» コメントありがとうございます。当方多忙の為更新頻度は落ちますが、定期的に皆様にフーゴをお届けできるよう善処いたしますのでこれからも是非ご愛顧下さいませ！ (2020年8月14日 10時) (
レス) id: 0d31e9065f (このIDを非表示/違反報告)
fenon(プロフ) - 本当に私得で大好きです。お気に入りさせていただきました！ (2020年8月14日 9時) (レス) id: 8dce9856e7 (このIDを非表示/違反報告)
淡深雪 肴(プロフ) - 伯さん» 伯様素敵なご感想ありがとうございます。作者がこだわっている点に気づいていただけて喜ばしく思います!! 至らぬ作者でございますが、今後とも本作品をご愛読ください! (2020年5月28日 10時) (レス) id: 0d31e9065f (このIDを非表示/違反報告)
伯(プロフ) - いつも楽しく読んでいます。出会いたての頃は大人びて見えたフーゴくんが、夢主と親しくなるにつれヤキモチやいたり慌てたり照れたりと年相応の一面を見せるようになるのがとても可愛くて好きです。素敵なフーゴくんをありがとうございます、今後も楽しみにしています！ (2020年5月28日 0時) (レス) id: bb5d92349b (このIDを非表示/違反報告)
淡深雪 肴(プロフ) - りんさん» りん様激励のお言葉ありがとうございます。作者のモチベーション維持にも関わりますので本当に嬉しいです…!! より一層精進して参りますのでこれからも是非ご愛読ください! (2020年5月27日 21時) (レス) id: 0d31e9065f (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：淡深雪 肴 | 作成日時：2020年5月3日 19時
