序章 第一話 ページ1
ある年の夏、私はイタリアに旅行に行くことにした。
昔からテレビ番組などを見て憧れてはいたが、その地に足を踏み入れるのは初めてのことで、少しばかりの緊張と好奇心を覚える。
父母は仕事が多忙で一緒には行けないが、大学でイタリア語を専攻していた兄が同伴してくれることになった。兄は現在仕事をしているため、途中からは一人になってしまうが心配はしていない。私も趣味で幼いころから英語教育と共にイタリア語教育も受けていたのだ。
留学を行った兄に比べて、私は実践を行っていない。そこだけが問題点なのだが、きっとすぐにそんな障壁は取り払われることだろうと、根拠なく考えるのである。
「体調、悪くなってないか？」
「うん。大丈夫だよ。」
兄に声をかけられて、ふっと現実世界に戻された。
ちょっとした妄想癖の為に、時々こうして頭の中に閉じこもってしまうことがある。
海外旅行で注意散漫になっては危ないな、と気を引き締めた。
「有給ちょっとしか取れなかったから僕は二日くらいで日本に帰るけど、Aは一週間楽しんでくるんだよ？」
「勿論！ついてきてくれてありがとう」
「どういたしまして」
他愛のない会話をしながら、どことなく晴天とは言えないような空を見下ろしていた。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 49人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
淡深雪 肴(プロフ) - fenonさん» コメントありがとうございます。当方多忙の為更新頻度は落ちますが、定期的に皆様にフーゴをお届けできるよう善処いたしますのでこれからも是非ご愛顧下さいませ！ (2020年8月14日 10時) (
レス) id: 0d31e9065f (このIDを非表示/違反報告)
fenon(プロフ) - 本当に私得で大好きです。お気に入りさせていただきました！ (2020年8月14日 9時) (レス) id: 8dce9856e7 (このIDを非表示/違反報告)
淡深雪 肴(プロフ) - 伯さん» 伯様素敵なご感想ありがとうございます。作者がこだわっている点に気づいていただけて喜ばしく思います!! 至らぬ作者でございますが、今後とも本作品をご愛読ください! (2020年5月28日 10時) (レス) id: 0d31e9065f (このIDを非表示/違反報告)
伯(プロフ) - いつも楽しく読んでいます。出会いたての頃は大人びて見えたフーゴくんが、夢主と親しくなるにつれヤキモチやいたり慌てたり照れたりと年相応の一面を見せるようになるのがとても可愛くて好きです。素敵なフーゴくんをありがとうございます、今後も楽しみにしています！ (2020年5月28日 0時) (レス) id: bb5d92349b (このIDを非表示/違反報告)
淡深雪 肴(プロフ) - りんさん» りん様激励のお言葉ありがとうございます。作者のモチベーション維持にも関わりますので本当に嬉しいです…!! より一層精進して参りますのでこれからも是非ご愛読ください! (2020年5月27日 21時) (レス) id: 0d31e9065f (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：淡深雪 肴 | 作成日時：2020年5月3日 19時
