Toothbrush|22 ページ23
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『アンタそれ本当に悪趣味ね』
「は?お前の目ェ腐ってんじゃねぇの」
『飛び蹴り食らわすぞワレ』
問答無用で松田の脇腹をど突いた。奴は軽く呻いている
話を戻せば私が悪趣味だと揶揄っているのは無論、コイツが使用する歯ブラシで
『何で黒ベースに紫色が混じってんのよ...趣味悪』
「お前なぁ...製造者と他の愛用者に謝れ」
『松田が自作した歯ブラシでしょ』
「いくらなんでもそこまで器用じゃねぇわ」
まぁ確かにコイツの指先は逸を越える程に器用ではあるが
そうだ、器用と言えば
『今日の爆弾、松田から見てどうだった?』
「あれは素人の代物だな。配線もごちゃついてた割りに単純ではあったし。コードの数と複雑さで誤魔化してた感は否めないな」
二人並んで歯を磨きながら、松田の評価にふーんと相槌打った
『今の時代、爆弾でも何でも自作可能だものね。悪用はれっきとした犯罪だけど』
水で口内を濯いで歯磨きを終える
ピンクの歯ブラシを歯ブラシ立てに直した
「__そういやお前、よく解体なんて出来たな」
私と同様歯磨きを終えた松田がタオルで口元を拭きながら聞いていた
『あれ、もしかして覚えてないの?』
「?何がだよ」
『警察学校の頃。私アンタに負けたくなくて爆発物の解体を選択してないにも関わらず実践と勉強を繰り返してたのよ』
ーーー
『松田!!このトラップ解除、どちらが先に終えるか勝負よ。受けて立ちなさい』
「お前も毎回懲りねぇな...しかもお前の分野じゃないんだろ?専攻してる奴に普通負け試合挑むか?」
『勝負もしてないのに決めつけんなハゲ』
「髪の毛ありますぅー」
ーーー
「あぁ。確かにあったな、んな事。でも俺、Aに解体教えた事片手で数えるぐらいしかねーよな?まさか独学?」
『爆弾に対してそこまで無謀じゃないわよ。
__松田に決闘申し込めるだけの実力をつけたいって言って、萩原に教わってたのよ』
__「まずは中身を開いて直流か交流か見る。あとは導線回路によって切っていく順序も時間が限られた中で考えなきゃいけないんだ」
__『分かった。じゃあ式別で異なる処理方法も教えて。__』
あの時の情景が甦る
数年前、一足早くこの世を去った彼の声を忘れてしまわないようにと手探りで記憶を引き寄せた
...戻っては、こないのに
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ふぐひらめ(プロフ) - 自分の目が土偶のように腫れあがってしまいました。松田も西城ちゃんも悪くないんだよなぁ、でも報われねぇんだよなぁ…。もし余裕が出来ましたら、この二人の普通にイチャコラしてる話が読みたいです!生前の、になるのか別世界パロになるのかはお任せします。 (10月9日 11時) (レス) @page50 id: 63e1c883be (このIDを非表示/違反報告)
輪廻(プロフ) - 大変面白く、続きが気になってしまって一日で読破してしまいました…何処を探しても、こんなに泣いて考えさせられた小説はありません…!素晴らしい作品を、本当に有難う御座います! (9月30日 9時) (レス) @page50 id: 6cfce3c49c (このIDを非表示/違反報告)
ひな(プロフ) - 何度見ても涙が止まらないです。本当に、なんで死んでしまったのでしょうかね (5月7日 14時) (レス) id: 86ac079c04 (このIDを非表示/違反報告)
kaki - こんばんは。何度も何度も読んでも涙が止まらないです、、涙が枯れるかと心配になるほど、出てきます。素敵なお話をありがとうございました。 (5月6日 23時) (レス) id: 9254c6c927 (このIDを非表示/違反報告)
ミートボール(プロフ) - こんばんは。初めて小説を読んで声が出るくらい泣きました。とても読み応えがあって、「何度でも読みたい」と思う物語でした、、!たくさん小説がある中でこの小説に出会えて本当に良かったと思いました。素敵な作品を描いてくださって本当にありがとうございました。 (2023年3月21日 0時) (レス) @page50 id: abe3749231 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:リンドウ | 作成日時:2019年8月12日 2時