Toothbrush|9 ページ10
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ひょんなとこから松田がやって来て二日目?の朝
『......』
「はよ。早かったな」
松田の背中を唖然を見つめその場に突っ立つ
「...何してんの?」
『それこっちの台詞なんだけど。何してんの?』
当の本人は私のエプロンを付けフライパンを片手に何か作業をしている模様
その顔にエプロンとかどんだけだよ。ギャップかよ。もっとフリフリのやつ用意してれば良かった。絵面がキツいが
しかし不本意だが一瞬でも可愛いと思う自分がいた。不本意だが
「見ての通り朝飯作ってんの」
『誰の分よ』
「俺の分だけだけど?」
『おっ払うぞ』
拳をグーにして筋を立てた
「間に受けんなって。ほら、お前の分」
テーブルに置かれた真っ白なお皿の上には綺麗な目玉焼きが乗っている。出来の美しさを見ると松田の几帳面な性格が現れているようだ
『朝食とか作れたんだ』
「こんなの朝飯前だ、...朝飯前だけに?」
『面白くないから』
一刀両断でスパッと切り捨てテーブルにつく
誰かに作って貰う朝食なんて親以外初めてだ
付き合ってる時もこんな事一度も無かったのに。まさか死なれた後に実現するとは何とも複雑な心境
『ん、美味しい』
「当たり前」
得意気に口の端を上げて目を細める笑い方も。全然変わってない
悔しいけれど朝食は文句無しに美味しいし、やっぱり松田の笑った顔が好きだと思った
「今日何時から登庁?」
『今日は非番なの』
お味噌汁をゆっくり綴った。これも美味しい。オカンかよ
『私ちょっと買い物してくる。松田は好きにしてていいから』
「結構好きなようにしてもらってるけどな。しといて欲しい事あればAが出掛けてる間にやっとくけど」
『じゃ、洗濯物干し。そんなに多くないから』
「了解」
手を合わせてから食器を下げる私に松田が視線で追ってきた
『何よ』
「...いや、今の会話夫婦みてぇだなって」
『はっ!!?』
思わず落としそうになる食器をしっかり持ち直す
冗談はそのイケイケな顔だけにしろと暴言(?)を吐いてシンクへ急いだ
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ふぐひらめ(プロフ) - 自分の目が土偶のように腫れあがってしまいました。松田も西城ちゃんも悪くないんだよなぁ、でも報われねぇんだよなぁ…。もし余裕が出来ましたら、この二人の普通にイチャコラしてる話が読みたいです!生前の、になるのか別世界パロになるのかはお任せします。 (10月9日 11時) (レス) @page50 id: 63e1c883be (このIDを非表示/違反報告)
輪廻(プロフ) - 大変面白く、続きが気になってしまって一日で読破してしまいました…何処を探しても、こんなに泣いて考えさせられた小説はありません…!素晴らしい作品を、本当に有難う御座います! (9月30日 9時) (レス) @page50 id: 6cfce3c49c (このIDを非表示/違反報告)
ひな(プロフ) - 何度見ても涙が止まらないです。本当に、なんで死んでしまったのでしょうかね (5月7日 14時) (レス) id: 86ac079c04 (このIDを非表示/違反報告)
kaki - こんばんは。何度も何度も読んでも涙が止まらないです、、涙が枯れるかと心配になるほど、出てきます。素敵なお話をありがとうございました。 (5月6日 23時) (レス) id: 9254c6c927 (このIDを非表示/違反報告)
ミートボール(プロフ) - こんばんは。初めて小説を読んで声が出るくらい泣きました。とても読み応えがあって、「何度でも読みたい」と思う物語でした、、!たくさん小説がある中でこの小説に出会えて本当に良かったと思いました。素敵な作品を描いてくださって本当にありがとうございました。 (2023年3月21日 0時) (レス) @page50 id: abe3749231 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:リンドウ | 作成日時:2019年8月12日 2時