6話 ページ6
彼女が出て行ってから、小生はすみれさんの部屋に居る事が多くなった。やはり、初めて好きになった人が居なくなってしまうのは、流石に辛い....。
いつすみれさんが帰って来ても良いように、部屋の掃除と空気の入れ替えと布団を外に干したりと、色々こなした。
寂しさを掻き消すように、小説を書いたりすみれさんを助ける為に動き回ったりする日々が続いた。此の所、あまり食事を摂っていない。帝統と乱数にも心配を掛けてしまとは...。小生の事を心配してか、よく2人は小生の家に居ることが多くなっていた。
有栖川「幻太郎、少しぐらい飯食え。腹を空かせてばっかだと、すみれも心配するぞ」
と、言いながらおにぎりの入ったコンビニのレジ袋を目の前に置かれた。折角、買って来て貰ったんだ。食べようと思い、レジ袋に手を伸ばした。
夢野「すみれさん、ちゃんとご飯食べて居るでしょうか...」
有栖川「確かになぁ。すみれ、他の奴に遠慮して食ってないとかあり得るしなぁ」
夢野「オマケに偏食ですし。心配です...」
有栖川「お前はすみれのお袋か?!」
夢野「あら、帝統ちゃん。貴方も好き嫌い多くてママ昔はすっごく困ったのよぉ〜」
有栖川「辞めろ!気持ち悪ィ」
高い声を出して帝統を揶揄ってみた。予想通りの反応をするから面白いですねぇ。でも、無理して明るく振る舞うのはきつい...。
夢野「お巫山戯もこの位にしないと行けませんね」
有栖川「ったく、幻太郎...無理すんじゃねぇぞ。もう少ししたら乱数も来るんだしよ」
乱数は先程、用事があると言って出て行ってしまった。何やら急ぎの用事みたいで。暫くすると、ドタドタと廊下の方から足音が騒がしく響いた。
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作者名:藍原 葵 | 作成日時:2021年12月9日 18時