思い思われ、嗚呼、好きです〜貴方が中王区に行ってから〜 (ページ3)

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３話ページ3

無心でペンを動かして居たら、気がつければ朝になって居た。顔を洗おうと思い、洗面所に向かうと鏡に映る自分はとてもじゃないけど、すみれさんに見せられる顔では無かった。

目元が腫れて居てクマも出来て顔色までも悪かった。彼女の部屋の壁に貼られたポスターの小生は、こんな酷い顔はして居なかったのに...。

夢野「酷い顔だ...」

鏡に手を合わせ呟くと、チャイムの音が鳴った。もしかしてと、走って玄関に向かいドアを開けると____

有栖川「幻太郎ーーーー！！悪ぃ、今回もまた一文無しになっちまったんだ。何でもするから今日は泊めてくれ〜〜」

夢野「何だ...、帝統ですか」

すみれさんかと期待した自分が馬鹿らしい。思わず、落胆し何も知らない帝統を軽く睨みつけてやった。

有栖川「何だって何だよ！ん？すみれは？まだ寝てんのか？」

夢野「...っ、居ませんよ。出て行ったんです」

有栖川「はあ？げ、幻太郎...また、何時もの嘘だよな？だって、幻太郎とすみれは付き合ってんだろ？なのに、何で...」

夢野「そんなの小生が聞きたいです！」

カッとなってしまい、声を荒げて近所迷惑も考えず怒鳴ってしまった。もう何が何だか分からない...。

夢野「すみません。取り乱しました。どうぞ、中に入って下さい」

有栖川「おう...、でもちゃんと教えてくれよ。何があったか」

本当は放って置いて欲しかった。けど、1人で抱え込んでいても何の解決にもならないと思い、「分かりました」と、答えた。