思い思われ、嗚呼、好きです〜貴方が中王区に行ってから〜 (ページ14)

今日:11 hit、昨日:0 hit、合計:6,255 hit

１４話ページ14

翌朝、眼が覚めるとすみれさんが隣にいた。一緒に同じベッドで寝たのだから当然か。小生の腕の中で眠るすみれさんは、一体どんな夢を見ているのだろうかと少しだけ興味が湧いた。

初めて恋をしてその恋が成就して、5つも歳の離れた彼女と同じ布団に入るなんてと、少々緊張した...。しかし、小生よりも小さな身体で抱えきれない程の物を抱えていたなんて。

もっと小生が早く気が付いていれば...っ！自分を責めた所で、何も変わりはしない事は分かっている。今更、後悔しても後の祭りだ。

夢野「すみれさん...、小生達...もっと早くに出会っていれば良かったのかも...、しれませんね」

そう呟いても、彼女は眠っているのだから聞こえている訳がないし、当然返答も帰って来ない。それでも、今小生に出来る事をしたい。彼女の為に...。

時計に目を向け、そろそろすみれさんを起こさなければと思い、起き上がって肩を揺さぶりながら声を掛けた。

夢野「すみれさん朝ですよ。お寝坊さんはお馬鹿さんになるそうですよ」

「...んぅ、嘘...ですよね？おはようござい...ます」

と、目を擦りながら身体を起こしていた。ある物を目にし、小生は即彼女から目を逸らした。大きめのサイズのTシャツと黒いズボンを寝間着にして居るらしく、はだけて胸が少々見えてしまっていたのだ。

夢野「すみれ...さん？早く...着替えて下さい」

「...へ？あっ！」

やっと気が付いたらしく、『ごめんなさいごめんなさい。お見苦しい物見せて...。本当にすみません！』と、顔を真っ赤にして着替えを手にして洗面所の方へ駆け込んで行った。

それを確認してから、再びベッドに寝転んだ。

夢野「...危なかった。下手すりゃ手を出していたかもしれません...」

よく耐え切ったと自分を褒めてやりたい。彼女が着替えている間、小生も着替えなければ。今日は一旦、小生だけシブヤに帰るのだから。