8話 ページ9
夢野「無理に話せとは言いません。小生もそこまで酷い大人じゃありませんしね」
「...っ、」
夢野「そんな悲しそうな顔されたら、小生...余計に心配になりますよ」
「ごめんなさい」
嗚呼、駄目だ。怖くて不安で手汗が酷い。必死にスカートの裾を握りしめているせいか、スカートが若干湿っている。
夢野「では、小生の過去の話をしましょう」
「...え?」
夢野「貴方に何故泣いていたのか聞くのに、小生だけ話さないなんてフェアじゃないでしょう?それに、何か訳があって貴方は泣いていた。人は何の理由もなしに泣いたりなんてしない」
その優しい声色が耳を通り抜けて行った。夢野さんの過去...。少しだけ興味がある。
「分かりました...。私も話します」
夢野「では____」
ポツリ、ポツリと夢野さんは自身の過去を語り始めた。それはあまりに、壮絶だった。学生時代にもらい子だからといじめを受け、兄は中王区のせいで昏睡状態。こんなに綺麗な人がそんな辛い過去を...。
聞いていくうちに涙が滲んだ。机に私の涙が落ちて行った。必死に拭って彼の話に集中する。
夢野「これが小生の過去です...。すみれさん、これで涙を拭いて下さい」
「すみません」
懐から夢野さんはハンカチを取り出して、手渡してくれた。なんて優しい人なんだろう。
「つ、次は私の番...ですよね」
夢野「ええ、」
ちゃんと伝えられるだろうか。いや、夢野さんならきっと受け止めてくれる筈。
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藍原 葵(プロフ) - 赤苺さん» コメントありがとうございます!私も夢野さん推しなんですよ!!これからも投稿頑張ります。 (2021年8月31日 8時) (レス) id: 1c76c161ee (このIDを非表示/違反報告)
赤苺 - わー!!! 自分、夢野好きなので嬉しいです!ありがとうございます!!応援しています! (2021年8月30日 20時) (レス) id: b03a20a5e4 (このIDを非表示/違反報告)
藍原 葵(プロフ) - 夏姫さん» ありがとうございます!!めっちゃ嬉しいです。更新頑張ります。! (2021年8月14日 13時) (レス) id: 1c76c161ee (このIDを非表示/違反報告)
夏姫(プロフ) - こう言った展開好き面白いのも混ざってるから更新頑張れ! (2021年8月14日 13時) (レス) id: 55e6785be2 (このIDを非表示/違反報告)
藍原 葵(プロフ) - うっちゃんさん» わー!!ありがとうございます。嬉しいです!! (2021年8月7日 17時) (レス) id: 1c76c161ee (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:藍原 葵 | 作成日時:2021年8月7日 16時