40話 ページ41
ふぅ、終わった〜〜。すっかり外も暗くなってしまって居る。バイト先の本屋から出ると、背後から聞きなれた声が聞こえた。
夢野「すみれさん」
「夢野さん?!何で此処に?」
夢野「遅くなると連絡がありましたゆえ、暗くなって来ましたし、お迎えに来ました」
神対応〜!いやいや、感動してる場合じゃない。でも、何だか嬉しい。疲れや怒りがスッと消えていくのを感じた。
「ありがとう...御座います。あの!新作の小説買ったので、後でサインをお願いしても良いですか?」
夢野「勿論いいですよ」
思わずその言葉が嬉しくて、ガッツポーズを取った。外で何してるのやらと、すぐに恥ずかしくなり歩き始めた。
夢野「本当にすみれさんは、小生が好きですねぇ」
「最推しですからね」
夢野「そのまま恋という穴に堕ちてくれれば良いのですが...」
「お、堕ちませんからっ!」
ムキになるのもいいかもしれないが、クスリと小さく微笑む夢野さんが尊と過ぎて、言葉を失った。
帰って即、荷物を部屋に置いて小説を取り出しサインペンを持って、夢野さんの所へと向かった。
夢野「はい、どうぞ」
「ありがとうございます!はぁ〜、家宝にします...」
夢野「喜んで貰えて小生も頑張った甲斐がありました。さて、すみれさん」
「はい?」
夢野「約束してくれたではありませぬか。サインをしたら、わっちに口付けをしてくれると」
「してませんよ!」
夢野「あれは嘘だったのでありんすか?」
「そもそもしてませんよね」
裏声なのか何時もより何トーンか、高めの声で話す夢野さんの声帯はどうなっているのやら。些か興味はある。
夢野「騙されてはくれませんでしたか」
「ええ、だって約束してませんし」
そう答えると、分かりやすく拗ね始めた。溜息を再び吐き、私は自分の髪を耳に掛けて、彼にそっと近づいた。
「じゃあ、これで満足ですか?」
夢野「へ?」
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恥ずかしくて死にそうだが、彼の頰にキスを落とした。私は今は役者モードなのだと自己暗示をかけながら。
「サインをくれた御礼です」
ほんのり頰を赤く染める夢野さんの表情を写真に収めて置きたいのを必死に堪えて、その場から立ち去った。
部屋に戻って速攻、ベッドにダイブし発狂した。
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藍原 葵(プロフ) - 赤苺さん» コメントありがとうございます!私も夢野さん推しなんですよ!!これからも投稿頑張ります。 (2021年8月31日 8時) (レス) id: 1c76c161ee (このIDを非表示/違反報告)
赤苺 - わー!!! 自分、夢野好きなので嬉しいです!ありがとうございます!!応援しています! (2021年8月30日 20時) (レス) id: b03a20a5e4 (このIDを非表示/違反報告)
藍原 葵(プロフ) - 夏姫さん» ありがとうございます!!めっちゃ嬉しいです。更新頑張ります。! (2021年8月14日 13時) (レス) id: 1c76c161ee (このIDを非表示/違反報告)
夏姫(プロフ) - こう言った展開好き面白いのも混ざってるから更新頑張れ! (2021年8月14日 13時) (レス) id: 55e6785be2 (このIDを非表示/違反報告)
藍原 葵(プロフ) - うっちゃんさん» わー!!ありがとうございます。嬉しいです!! (2021年8月7日 17時) (レス) id: 1c76c161ee (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:藍原 葵 | 作成日時:2021年8月7日 16時