思い思われ、嗚呼、好きです

３９話 ページ40

遂に...遂に...、夢野さんの新作の小説の発売日が来たぁ〜！大学終わったら、買いに行かないと。バイトも入って居ないし、帰ったらゆっくり読むとしよう。

無事、大学の講義も全部終わりバイト先の本屋へと直行した。本屋に着き、夢野さんの新作の小説を手に取ると、謎の幸福感に包まれた。さっさと、会計済ませて帰ろう。



「これください」

店長「おっ、すみれちゃん。今日はお客さんとして来てくれたんだね。悪いんだけどさ、今日のシフト入ってた筈の子が急に体調崩しちゃったみたいで、変わってくれないかな？」


.....嘘よね？本を手に入れ即帰って、徹夜して全部読み切る筈の私の計算が...。しかし、私の頭に天使と悪魔が誘惑してくる。



天使『今帰ったら、体調崩してしまった子や店長さんが可哀想よ？』

悪魔『別に、帰っても平気だろ。今日は店長さんも居るんだろ？』



深い溜息を吐いて、お金を払いスタッフルームに向かった。私の決断は間違っては居ない。大丈夫、大丈夫。


一応、帰りが遅くなると夢野さんにメールをしておいた。ブロックした筈なのに、「折角同棲を始めたのですから、お互いの連絡先は交換しておきましょう」なんて、言われるし！私は、残したくないの。自分のスマホの連絡帳に、推しの連絡先を！

大きな苛立ちと不満を抱え私は、レジへと向かった。

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