31話 ページ32
遂に来てしまった...。聖地中の聖地に。ファンには時に、自身のプライドを折っても守らなければいけない時がある。
けど、けど...っ!推しの家の住み込みの家政婦を任される現実は、受け入れたくなかった...泣。
夢野「入らないんですか?」
「...帰り...ます」
夢野「駄目ですよ。1人で暮らすより、小生と住んで居た方が安全です」
「いや、安全じゃないです」
心臓が保たないもの。さっきから、ばっくんばっくん言って煩い。本当なら今すぐ逃げ出したい。推しと同棲だなんて...。妄想の世界だけで済ませたかった。
夢野「さっ、入って下さいな」
「...っ、」
私が素直に入らない物だから、痺れを切らしたのか、夢野さんは私を抱き上げて家の中に入り、玄関で押し倒す形になった。
夢野「先日、言いましたよね?男は狼だと。小生とて男です。下心はあるんですよ?でも、すみれさんが好きだから我慢しているんです。現に、貴方にそう言った行為をした事がありますか?」
スラスラと述べられる言葉に頭を悩ませ、そして、推しに押し倒されている事実にどうにかなりそうだ。
「無い...です」
夢野「そうでしょう。すみれさんは、まだ大学生でバイトもしている。女性が夜道を歩くのは危ないです。それに、小生だって、24時間ずっと貴女の側に居られる訳ではない。だから、せめてすみれさんの安全を確保したいんです」
真剣な顔付きで喋っているが、私がオートロックのマンションに引っ越せば良いのでは?!なんて、言える状況では残念ながらなかった。
「私、マイクは必ず持って居ますし、中王区の方達も何人か返り討ちにした事ありますよ?」
夢野「その位の実力があっても、世間には危ない人で溢れて居ます。小生は、すみれさんにそんな危ない目に遭って欲しくはない!」
ゆらゆらと揺れている彼の目が私を捉えて離さない。私は素直に「はい」と、述べる事しか出来なかった。私の返事に夢野さんは、嬉しそうに微笑んだ。
大丈夫、私は何があっても生き延びる。生きて居なきゃ推し事すら出来ないもの。
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藍原 葵(プロフ) - 赤苺さん» コメントありがとうございます!私も夢野さん推しなんですよ!!これからも投稿頑張ります。 (2021年8月31日 8時) (レス) id: 1c76c161ee (このIDを非表示/違反報告)
赤苺 - わー!!! 自分、夢野好きなので嬉しいです!ありがとうございます!!応援しています! (2021年8月30日 20時) (レス) id: b03a20a5e4 (このIDを非表示/違反報告)
藍原 葵(プロフ) - 夏姫さん» ありがとうございます!!めっちゃ嬉しいです。更新頑張ります。! (2021年8月14日 13時) (レス) id: 1c76c161ee (このIDを非表示/違反報告)
夏姫(プロフ) - こう言った展開好き面白いのも混ざってるから更新頑張れ! (2021年8月14日 13時) (レス) id: 55e6785be2 (このIDを非表示/違反報告)
藍原 葵(プロフ) - うっちゃんさん» わー!!ありがとうございます。嬉しいです!! (2021年8月7日 17時) (レス) id: 1c76c161ee (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:藍原 葵 | 作成日時:2021年8月7日 16時