22話 ページ23
部屋に入れてしまった...。私は力が抜け床に座り込んだ。
夢野「おや、これは...」
先程準備した品が並ぶテーブルに、夢野さんは視線を移していた。恥ずかしい....っ。私の部屋には夢野さんのポスターや縫いぐるみや小説やら沢山あって、先日来た時だって引かれたんじゃ無いかと思ったら、恥ずかし過ぎて泣けて来る。
「夢野さん...。悪い事は言いません、帰って下さい」
夢野「嫌です」
ニッコリとした笑顔で断られてしまった。私の目線を合わせる為、しゃがんで此方を覗いて来た。
「今日は推し事したいんです!だから、邪魔しないで下さいっ」
夢野「小生は、すみれさんの趣味には口出ししません。なので、ごゆっくりどうぞ?」
「はい?」
隣にちょこんと座る夢野さんに疑問を抱いた。自分のライブの映像を見るなんて事あるの?私は、大学のサークルで作ったドラマのDVDすら恥ずかしくて、まともに見られないのに...。
夢野「小生もご一緒します。次に気をつけるべき点が見つかるかもしれませんしねぇ。それと、次のライブとバトルに役立つかもしれません」
「成る程...」
頭にクエスチョンマークを浮かべたまま、DVDを再生した。ペンライトを手に取り、私は必死にそれを振り大興奮だった。見終えると、私はかなり息切れしていた。
「はぁ...はぁ...、最高!はぁ〜、明日も頑張れそう...」
その瞬間、私は冷静さを取り戻しハッとなり、恐る恐る夢野さんの方に顔を向けた。
「...なんか、すみません」
夢野「....いえ、」
めっちゃ引いてる!終わった...。完全に終わった...。推しに引かれるだなんて!チーンッと、頭の中で効果音が響いた気がした。
夢野「まぁ、嘘なんですけどね」
「えっ?!」
夢野「良い反応をしますね。見ていて飽きませんよ」
良かった...。本当に良かった。一瞬だけ、本当に終わりの鐘が鳴った気さえした。思わず、安心して胸を撫で下ろした。テーブルに置いていたジュースを、喉に流し込みソファにもたれ掛かった。
38人がお気に入り
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
藍原 葵(プロフ) - 赤苺さん» コメントありがとうございます!私も夢野さん推しなんですよ!!これからも投稿頑張ります。 (2021年8月31日 8時) (レス) id: 1c76c161ee (このIDを非表示/違反報告)
赤苺 - わー!!! 自分、夢野好きなので嬉しいです!ありがとうございます!!応援しています! (2021年8月30日 20時) (レス) id: b03a20a5e4 (このIDを非表示/違反報告)
藍原 葵(プロフ) - 夏姫さん» ありがとうございます!!めっちゃ嬉しいです。更新頑張ります。! (2021年8月14日 13時) (レス) id: 1c76c161ee (このIDを非表示/違反報告)
夏姫(プロフ) - こう言った展開好き面白いのも混ざってるから更新頑張れ! (2021年8月14日 13時) (レス) id: 55e6785be2 (このIDを非表示/違反報告)
藍原 葵(プロフ) - うっちゃんさん» わー!!ありがとうございます。嬉しいです!! (2021年8月7日 17時) (レス) id: 1c76c161ee (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:藍原 葵 | 作成日時:2021年8月7日 16時