2話 ページ3
さっきのはきっと、神様が与えてくれた幸せな夢だ。推しに告白されるだなんてそんなのある訳がない。恋愛ドラマとか漫画やアニメじゃないんだから。
「....ん、」
夢野「あっ、目が覚めましたか?」
どうやら、夢じゃなかったようです。何故此処に、スタッフルームに夢野幻太郎が?!思わず、身体を起こした。
夢野「先程、倒れたんですから急に起き上がってはいけませんよ」
「いやいや、私が聞きたいのは何故、貴方のような有名人が此処に?」
夢野「はて?小生は貴方を愛するあまり、尾行までして此処を見つけ出したと言うのに」
書生の様な服の裾で顔を隠し、泣き真似をする辺り...。これって、
「嘘ですよね?」
夢野「ええ、嘘ですよ」
やっぱり〜!死ぬ前に一度は夢野さんの、嘘を体験して見たかったのよね。幸せ過ぎる。整理券も無しに、推しに嘘をつかせてしまった。そんなイベントなんて開かれて居ないのに...。
夢野「表情がコロコロ変わりますねぇ。見ていて飽きませんよ」
「...そうですか。私、仕事に戻るのでお帰り願います」
夢野「すみれさん、貴方の勤務時間はとっくに過ぎていますよ?」
「はい?」
なんで名前を知ってるのかしら?と、考えつつ時計に視線を移すと、本当に勤務時間は過ぎていた。秒針がカチカチと音を小さく立てて仕事していた。
夢野「ね?さぁ、帰りましょうか」
「ちょっと待って下さい?何故、夢野先生貴方まで、一緒に帰ろうとしてるんですか?それと、何処で私の名前を?」
夢野「そんなの簡単です。貴方のその名前プレートに書いてあったのですよ。綺麗な名前ですね」
「...どうも、」
特に思入れもない名前を褒められた。推しに、綺麗だと言われたのだから間違いないだろう。
取り敢えず、夢野さんをスタッフルームから追い出して、やっと静かになった。やたらと広いスタッフルームの、ベンチに腰掛けた。
「夢...じゃないんだよね?」
私の小さな声は広い部屋に掻き消された。
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藍原 葵(プロフ) - 赤苺さん» コメントありがとうございます!私も夢野さん推しなんですよ!!これからも投稿頑張ります。 (2021年8月31日 8時) (レス) id: 1c76c161ee (このIDを非表示/違反報告)
赤苺 - わー!!! 自分、夢野好きなので嬉しいです!ありがとうございます!!応援しています! (2021年8月30日 20時) (レス) id: b03a20a5e4 (このIDを非表示/違反報告)
藍原 葵(プロフ) - 夏姫さん» ありがとうございます!!めっちゃ嬉しいです。更新頑張ります。! (2021年8月14日 13時) (レス) id: 1c76c161ee (このIDを非表示/違反報告)
夏姫(プロフ) - こう言った展開好き面白いのも混ざってるから更新頑張れ! (2021年8月14日 13時) (レス) id: 55e6785be2 (このIDを非表示/違反報告)
藍原 葵(プロフ) - うっちゃんさん» わー!!ありがとうございます。嬉しいです!! (2021年8月7日 17時) (レス) id: 1c76c161ee (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:藍原 葵 | 作成日時:2021年8月7日 16時