俺じゃあかん？ (ページ6)

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俺が働くのは、イタリアンのお店。
ここら辺ではランチのビュッフェが安くて、しかも美味しいって言うので有名だ。

だから、年末のランチは特に忙しい。

ホール内を歩き回っていると、ビビッとインカムが繋がる。

「小瀧、2名様14番テーブルにご案内お願いします」

そう店長に言われ、入り口に向かう。

「お待たせ致しました。ご案内いたします」

言われた通り、席に案内してメニューを渡す。
それからまたホール内を回っては空いた皿を下げたりと。

そんなこんなで過ぎていった3時間。

「疲れた～」

やっぱり今日は特別に忙しかった。
そのせいでキッチンメンバーは特に目が死んでいる。

「さぁ、皆んなまかない食べえや」

そう店長がみんなに向かって言う。
ここのまかないは、ビュッフェの残り。
つまり旨いイタリアンが食べれるってわけ。

この店は特にピザ、いや、ピッツァが有名でまじで旨い。

「いただきます」

サラダにパスタにピッツァ。プラスのオレンジジュースをテーブルに運んできては手を合わせてから口に運んだ。

「ん、やっぱ美味いわ～」

なんて言ってたら前で食べていた3個年下の仲いい奴が口開く。

「相変わらずのんちゃんめっちゃ食うやん」
「いや、廉も中々食うてるからな」
「だって俺、高校生っすよ？今が一番育ち盛りなんっすよ？」

なんて言いながらお互い口いっぱいに詰め込む。

「お前らほんまええ食べっぷりやわ」

いきなり背後から声がして振り返れば料理長が俺達を見て笑っていた。

「だって美味いっすもん」

そう俺が言えば、廉はうんうんと頷く。

「はは、そうか！そう言ってもらえて嬉しいわ！」

腕組みをしながら満足そうに笑っていた。

「お疲れ様でーす」

飯を食い終わり、服を着替えてバイト先を出る。
そしてまた電車で5分。

最寄りに着き、自転車で近くのスーパーに立ち寄る。

「えー、とりあえず蕎麦と海老天と.....」

買い物カゴを片手にスーパー内をうろつく。
そんな時、パッと目に付いた寿司。

「美味そう...... まあ、あったら食うやろ」

そう思って少し多めに握り寿司が入ったタッパをカゴに入れてレジを済ませ、彼女の家に向かった。

エレベーターで上に上がり、一応インターフォンを押してみる。

「やろうな.....」

鍵をさし、開けてみれば中はえらい静かやった。

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