俺じゃあかん？ (ページ24)

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温かいココアを彼女に出し、それを飲んだ彼女はふぅと息を吐き、口を開く。

「あんな..... 告白された....」
「はい？」
「嬉しすぎて......」

あんなにも泣きそうな顔をしていたから、勝手に俺は何かされたんだと思っていた。
だからその言葉に一時停止する。

「告白された.....？」
「うん」
「誰に」
「バイト先の先輩で..... 学校の先輩でもある人」

そのワードを聞いて、神ちゃんが言っていた事を思い出す。

「で.... その人に告白されたと.....」
「うん....」
「で、泣いてたと」
「うん、嬉し過ぎて.....」

今迄に告白されて泣いている姿なんて一度も見たことがなかった。
だから、俺は心底動揺をしている。

「よかったやん」

やっとの思いで出した言葉。
全然よかったやんなんて思ってない。
寧ろなんでなんって言いたい。

「どんな人なん？」

そう聞くと嬉しそうに写真を見せてくれる。
画面に映るその相手は鼻筋がスッと通ったイケメンで、服もお洒落だった。

そんな奴が今、ほぼ目の前にいる。

「めっちゃイケメンちゃう？長身やし」
「せやな....」
「しかもファッションセンスよ過ぎやし」
「せやな....」

俺が思っている事を言う大吾。

「バイト先の先輩兼、学校の先輩らしい」
「へー、確かファッション系やったよな？」
「そう」
「やからか....」

入り口で騒ついているのは言うまでもなく女子達で。
相手は男から見てもイケメンでカッコよくて。

「あ！流星！」

そんな彼を見つけた彼女は嬉しそうに駆け寄り、ニコニコと笑う。
そしてこっちに向かってくる。

「あ、俺あっち行ってくるな」
「は？」
「流石に元彼ですーなんて言えへんやろ？」
「まあ、そうやけど」
「じゃあ」

大吾はこっちに来る2人を見て別の所へ行ってしまう。

「あれ？大ちゃんは？」
「あー、なんか呼ばれてどっかいった」
「そう」

彼女は普通に話してくるが、その隣が気になって仕方がない。

「紹介するね。こちらが小瀧望」
「あ、もしかしていつも話してる？」
「そう」
「初めまして、Aさんとお付き合いさせて頂いてます。藤井流星です」
「初めまして、小瀧望です」

彼はニコリと笑う。そして俺もニコリと笑う。

「一度お会いしたかったんですよ、望さんに」
「俺にですか？」
「はい、よく彼女から聞くものですから」

そう言われて、こいつは一体何を話したんだと不安になった。

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