俺じゃあかん？ (ページ11)

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あれからゆっくり歩いて、Aの家に帰りそのまま寝て、起きたら安定の11時。

「そろぼち起きいや」

寝室で眠る彼女に声を掛ける。
まあ、起きひんやろうけど。

俺は何も言わずにシャワー浴びて、置きっ放しにしていた下着と服に着替える。
そしてリビングに行けば、多分さっき起きたばっかりの彼女が眠そうにソファーに座ってテレビを眺めていた。

「空いたで。はよ浴びてき」

そう言うと、ゆっくり立ち上がり重い足取りで脱衣所へと消えていった。

「腹減ったな....」

なんて思って冷蔵庫を開けるけど、当たり前に何もない。
昨日買っとけばよかったななんて少し後悔する。

しばらくしたら髪を拭きながらやってきた彼女。
第一声は「お腹空いた」だった。

「言うて、家なんもないねんけど、どうする？」
「んー、」
「実家まで帰りよったら腹よじれるやろ？」
「うん、よじれて背中とくっ付く」
「ほならどっか食いに行くか....」

元旦のこの時間だ。
きっと初詣帰りのファミリーで賑わってるに違いない。

「てか、テレビ見とらんとはよ準備して？」
「んー」

マイペースな彼女はぽけぇっとテレビ観ながらナマケモノくらいのスピードでファンデーションを叩いていた。

「場所、ファミレスでええ？」
「うん」

やっとファンデーション塗り終わった彼女にそう問いかけた。
毎年安定のファミレス。
なんでも食べれるからって事でいつもそうしている。

それから30分後、やっと準備が終わった彼女。
コートを羽織り、荷物を持って家を出ては駅の方面へと向かった。

目的地のファミレスは駅近くにあり、そこに俺達は入った。
中に入れば、丁度入れ替えのタイミングでスムーズに席に着くことができた。

「意外とスムーズに座れたな」
「やな、ラッキーやわ」

お互いメニューを開いては睨めっこをする。

「パスタも良いけど、ステーキもいいよな.... A何にするん」
「私は...... パスタかオムライスか..... でもネギトロ丼もいいな.....」

頬っぺたをぷくっと膨らませながら悩んでいた。

「んじゃあ、それ3つ頼もうや。どーせ2人で食べたらすぐ無くなるやろ？Aブラックホールやし」
「誰がブラックホールや！」

スリムな身体なのに胃は男並みにデカいらしく、とにかく食べる。
量も多ければスピードも凄く、一時彼女はブラックホールと呼ばれていた。

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