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攘夷浪士は『同胞の釈放の件はちゃんと話を進めているんだろうな。要求が通らない場合、人質の命はない』という。
『字が小さくて読めません』
そうやって時間を稼いでいるうちに、私は隊士に指示を出す。
「二番隊と三番隊はバレないように裏にまわれ、いいか決してバレんじゃねーよ分かったか」
「それはフリですか管理官」
「フリじゃねーよ真面目にしろ」
誰だよこの状況でフリとか言ったヤツ。フリじゃねーよそのぐらい察しろ。
もしホントにバレたらそいつ切腹だから。
そうしている間に沖田クンは望遠鏡で攘夷浪士たちの方を覗き、彼らの意向を伝えてくれた。
「『証拠がほしい。お前たちが我等の忠実な犬となったという証拠が。３回まわってワンと言え』と書いてありやすぜ」
「あの野郎どもォ」
「(土方限定)と書いています」
「ウソつけェェェ！お前明らかに今付けたしたろ！」
マジか沖田クン。それ土方クンがしたらめっちゃ面白いじゃんか。
私は笑いをこらえながら土方クンに言った。
「これがホントだったらどーすんの。土方クン、これはやるしかないよ腹ァくくれ。」
土方クンはギリギリと歯を鳴らし、見かねた局長サンが宥めた。
「しょーがねーよトシ、お通ちゃんのためだ」
「ウン、しょーがねーよトシ」
急に話に参加した誠ちゃんに土方クンは「オメーにトシとか言われたくねーんだけど！！」とキレる。
だがどうにか冷静さを保ち、青筋を浮かべたまま３回くるくるとまわり、ワン！と吠えた。
「ぶふっ！」
普段見れない土方クンの屈辱的な行動に私は耐えきれず吹き出し、お腹を抱えて大笑いした。
マスコミもここぞとばかりに囃し立てる。
ひとしきり笑って目尻の涙を拭うと、実は『腹が減ったからカレーを用意しろ』という指示で、隊士は皆カレーを作っていた。
またもやマスコミはネタだ何だと真選組の様子を報道する。
ふぅ、と一息ついたとき、私達の元にマスコミの間を縫って黒い車が３台ほど止まり、中からスーツを着た数人が出てきた。
そのうち一人の男が私の前に進み出る。
「お久しぶりです、芹沢さん。」
え、誰。私こんな人知らんぞ。でも何処か見覚えのあるような…
んんん？と記憶を探っていると、私の様子に男はハァと溜め息をつき、「アンタの同期です、覚えてないんですか」と呆れた目で私を見た。
「あっ、黒島！」
思い出した、コイツ警察学校時代の年下の同期だ。
え、でもコイツの所属は二課じゃなかったっけ…？
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通行人N(プロフ) - 謬見さん» コメントありがとうございます(_ _;)毎週土曜日更新の予定です。Twitterで更新したらお知らせしていますので、ぜひそちらも✨これからも頑張りますのでまた感想をお聞かせ下さいね！ (2022年11月20日 16時) (
レス) @page17 id: 39adec4ff4 (このIDを非表示/違反報告)
謬見(プロフ) - 面白くて一気読みしちゃいました(*´꒳`*)更新待ってます！！ (2022年11月19日 21時) (レス) id: 9ecb800a6a (このIDを非表示/違反報告)
通行人N(プロフ) - 鬼魂さん» コメントありがとうございます(_ _;)そう言っていただけてとても嬉しいです✨これからも更新頑張りますので宜しくお願いします。 (2022年11月14日 15時) (レス) id: 39adec4ff4 (このIDを非表示/違反報告)
鬼魂 - とても面白いです！更新頑張って下さいｯ!楽しみに待ってます！！ (2022年11月13日 16時) (レス) id: ce3cc772d9 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：通行人N | 作成日時：2022年10月1日 10時
