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「げほッ」
刀を抜かれた瞬間、なす術なく地面に倒れ込む。
不味い、このまま死ぬわけにはいかない。
フラフラと刀を手にして立ち上がる。
思った以上にダメージが大きい。どうすればコイツに勝てる？
左手で腹を抑えながら右手で刀を構え、相手を見据えた。
まだ私はやられちゃいない。
まだ勝負は終わっていない。
そんな私を見て、辻斬りは笑った。
「お強いねェ……。勝負を再開と行こう、と言いたいところだが、アンタを殺すことが目的じゃない」
「は…？どういうことだ」
「こういうことさ」
突如、首筋に走る衝撃。
意識は朦朧とし、私の体は後ろに倒れ込む。
地面に打ち付けるだろうと衝撃に構えたが、いつまで経っても衝撃は来ない。
私は誰かに抱きとめられていた。
「てめぇ、誰だ……」
視界が霞む。よく見えない。
それでもどうにか意識だけは繋ぎ止めていた。
抵抗しようとするも、体は鉛のように重くて動かない。
意識ももう消え掛かりそうだ。
クソ、動け………！
「クク、紅桜相手によくもここまで持ったもんだな…」
もう一度首に衝撃が走る。
最後に捉えたのは、何処かで嗅いだことのある紫煙の香りだった。
「また辻斬りが出たらしい」
「物騒だな、夜道に気をつけろよ」
立ち入り禁止のテープがはられた繁華街の路地裏。
そこに残されたおびただしい血痕。
非番で街に行ったきり帰ってこない上司。
これらが示す事実を頭は勝手に結びつける。
そんな考えを振り払うかのように、土方十四郎は荒々しく煙草に火をつけた。
(まさか、そんなわけねェよな………。)
近藤も沖田も帰らない芹沢を心配している。
辻斬りなんかにやられるタマじゃねェと言いつつも沖田の表情は暗く、沈んでいた。
遺体は見つかっていない。
その血痕が上司のものだという確証もない。
しかし、もし、万が一、この致死量ほどの血が芹沢のものだったとしたら…
その時自分は、どうしたらいいのだろう。
この血は芹沢ではない他人のものだとしたら、どうして上司はまだ帰ってきてないのか。
普通に考えて、辻斬りにやられたのは芹沢だというのが自然だ。
それでも、自分が信じたいだけかもしれないがそれでもいい。
彼女はそう簡単にやられる人間ではないと、
きっと何処かで酒でも飲んでるのだろうと、
(無事で居てくれよ、クソ上司。)
土方は芹沢Aが生きていることにかける。
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通行人N(プロフ) - 謬見さん» コメントありがとうございます(_ _;)毎週土曜日更新の予定です。Twitterで更新したらお知らせしていますので、ぜひそちらも✨これからも頑張りますのでまた感想をお聞かせ下さいね！ (2022年11月20日 16時) (
レス) @page17 id: 39adec4ff4 (このIDを非表示/違反報告)
謬見(プロフ) - 面白くて一気読みしちゃいました(*´꒳`*)更新待ってます！！ (2022年11月19日 21時) (レス) id: 9ecb800a6a (このIDを非表示/違反報告)
通行人N(プロフ) - 鬼魂さん» コメントありがとうございます(_ _;)そう言っていただけてとても嬉しいです✨これからも更新頑張りますので宜しくお願いします。 (2022年11月14日 15時) (レス) id: 39adec4ff4 (このIDを非表示/違反報告)
鬼魂 - とても面白いです！更新頑張って下さいｯ!楽しみに待ってます！！ (2022年11月13日 16時) (レス) id: ce3cc772d9 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：通行人N | 作成日時：2022年10月1日 10時
