6mm.

☆. ページ17

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「A！」






不細工な泣き顔を晒す前に帰ろうと振り返った瞬間、彼の声がするもんだから振り返ってしまった。





「人気者だね、小林くん」

「ほんまに、困ってんねん」






嫌味な自分が大嫌い。
モテモテで満更でもない彼が大嫌い。嘘、大好き。







「…これ、やるから大事にして」

「なにこれ、」

「俺のボタン、ちなみに2番目」







こうやって私を無闇に期待させる彼は罪な男だ。
生まれ変わったら彼には惚れない。絶対に。







「期待してええから」

「え？！」

「将来プロになったら友達に自慢しな」

「……あ、そういうことね」







ほら、また私傷ついてるバカみたい。







「それでプロなったらまた会いに行くから、」

「私に？」

「おう、…高校時代からずっと好きやったってな」







あーあ、罪な男は私を泣かせた。
不細工な泣き顔で千年の恋が冷めたらどうしよう。






「そういうの、もっと早く言ってよ！」






ほら、最後まで素直になれない。
でも明日から素直になるから、
どうか私のことを好きでいてください。





〔 校庭の中心で愛を叫ぶ 〕






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☆.かわさき むねのり。→←☆こばやし せいじ。

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