セカンド

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W杯初戦の日ー
朝から賑わっている。本当に世界中の祭典であり死闘であり夢だ。

そんな日も普通に仕事はある訳で。
ただ、ウチの予備校は特別に初戦だけは17時以降の講義は振替などを実施し休講にしている。
これは校長の理念でもある文武両道ー･･･
勉強だけでなく、世界が興味持ってるのを楽しんでほしいという思いから初戦だけは見るようにと生徒に強く言っている。


そんなこんなでその日に送別会になったんだけど。
校長は多分、キックオフに合わせて帰ったり御用達のスナックにでも部下を連れて行くんだろうな。
俺は絶対ごめんだけど。横尾さんはその辺上手にかわしてるから横尾さんについていれば間違いないと思う。



朝から講義を行い今日は午後の編成の関係から全コマびっしり入ってる。


現役高校生は学校だから、浪人生が主に受けている時間。多分俺が担任として見ている浪人生は皆次の志望校には合格圏内になっているため、そこまで切羽詰まる感じはないけど、勉強のために一年を過ごしているのだから、プレッシャーやストレスの負担は重いだろうと思う。そこを理解してちゃんと目を配ってあげないといけない。


そんな生徒もやはりW杯は注目度が高いようで、スポーツの力の偉大さを再認識する。ホントにすごい。



授業の合間もずっと、質問攻めで活気にあふれていた。



最後のコマの生徒を送り出し、後処理を終えると神木先生と関係してる校長とチームとブロックの人たちと送別会に向かう。
関係していないブロックの人たちはまだ職場に残ってる人もいた。



俺は関わりがあるブロックだったから横尾さんと共に出席だ。渋谷のダイニングバーに予約されているようで、そこへ電車で向かう。
幹事が若い後輩だったから、チョイスがいかにもって感じだった。


ダイニングバーに着くとテーブル席で横一列に長いカウンターが続いていて向かい合うような形になっていた。


隣に横尾さん。
前に神木先生。


話題はどうしても結婚についてになってしまう。
神木先生は横尾さんに結婚の押し売りをしてる。
そりゃ、赤ちゃんもお腹にいて幸せだろうしオススメしたいんだろうな。



「まぁ･･･そろそろとは思ってますけどね。タイミングが難しいですよね」
「全然難しくないですよー！横尾さんの誕生日や彼女の誕生日、記念日とか近々ないんですか？」
「僕の誕生日は終わりましたし…彼女の誕生日も先ですね。記念日も彼女の誕生日ですし」


･･･記念日、彼女の誕生日なんだ。

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