セカンド

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「･･･ふじ、がやさん...」
「･･･何か、こんなことしてるのに苗字で呼びあったり敬語っておかしくないですか？」
「･･･確かに」


玄関先でなだれ込むように、押し倒されそのままコトを終えようとした時に体勢が普通に辛いことにお互い気づきベッドで最後を迎えた。


行為を終えたあと、お互い息を整えながら寝転がっている。藤ヶ谷さんを見上げて呼ぶと藤ヶ谷さんは先程の言葉を放った。



「宏光って呼んでもいいですか？」
「もちろんです･･･！」
「俺のことは太輔、で大丈夫ですよ」
「･･･たい、すけ」
「ん？」
「じゃあ･･･、敬語もやめませんか？」
「ふふ。そうですね？」


優しく笑う藤ヶ谷さん
藤ヶ谷さんの腕にぎゅっと抱きつく



「･･･たいすけ」
「ん？なーに？」
「ふふふっ、呼んだだけ」



藤ヶ谷さんを名前で呼べる日がくるだなんて
本当に幸せすぎて･･･
怖い。いつかはこの幸せを失うんだと思うと…


「あっ、ごはん作ったんだけど…食べる時間ある？」
「作ってくれたの？それ嬉しーんだけど」
「用意するね！待ってて？」



ベッドから起き上がろうとすると腕を引かれ、藤ヶ谷さんの胸の上に引き寄せられた。


倒れた耳元で


「ご飯の前に･･･今度は宏光が上に乗って？」



そう囁かれその吐息でもう熱くなる



「･･･上手くできるかわかんねーけど…」
「大丈夫。」



藤ヶ谷さんの身体に溺れたのは俺の方



「宏光が俺を気持ちよくしてよ」
「･･･、」
「俺のこと好きなんでしょ？自分でいれて自分で動いて？」



麻薬のように溺れていく
藤ヶ谷さんの上に股がって上に乗る。
手で藤ヶ谷さんのを支え腰を下ろしていく。
そこは痛みを感じるけど、その痛みを我慢して下ろしていく。藤ヶ谷さんの形に順応していくそこは最後まで入るとお腹の中が藤ヶ谷さんでいっぱいになって少し苦しい。


「ほら、宏光」


藤ヶ谷さんのぽてっとしてる唇が
藤ヶ谷さんの鋭いけど優しい奥二重の目がセクシーな喉仏が少しごつい綺麗な手が指先が好きだった。


優しい話し方も声も振る舞いも話す内容も
全部好きだった



そんな人が俺の下にいて
気持ちよさそうに顔を歪めている



「だいすき、たいすけっ･･･」
「･･･、ありがとう」



応えてくれなくても。


「宏光のなか･･･やばっ」



もっと善くさせたい
俺に溺れてほしい


離れたくない
飽きられたくない

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