言えない ページ41
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長いようで短かった。
第2セットは落としたものの第4セットで勝ちきれた。
関田が相手コートまで拾いに行ってくれたり、
有志の本領発揮があって勝てた、そんなゲームだった。
インタビューには有志と俺が呼ばれた。
リポ「今日のゲーム、振り返ってどうですか?」
「自分にとって勝たなきゃいけないゲームでした。
チームのこと関係なく自分の諸事情のこともありますし、
昔、一緒に成長してきた仲間が敵だったので。」
リポ「会見がありましたが、ご両親に一言お願いします。」
たくさんの質問のあとにきたこの質問。
この会場に来てるのは会見でみんな知ってる。
ここで伝えるのがはずかしいとかそんなんじゃない。
ただ泣きそうで仕方がないだけ。
「ロシアから遠いところありがとうございます。
日の丸付けてやっとプレー出来ました。
気をつけてロシアに帰ってね。」
育ててくれてありがとう、は言えなかった。
気をつけて、が俺が言える最高の言葉だった。
インタビューを終えてみんなの所へ行くと背中をしばかれた。
でもマサだけは、背中を優しく摩ってくれた。
父さんと母さんの方を見ると今まで俺が立ってたコートを見つめてた。
父さんは手で目を抑えながら。
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千尋 - 続き楽しみです! (2020年1月24日 13時) (レス) id: 6a8c623822 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:瑠杏 | 作成日時:2020年1月19日 21時