会見 ページ39
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W杯。
祐希のサーブで始まったイタリア戦。
相手コートにはモデナ、ペルージャにいた時に共に戦った相手もいた。
相手は俺の手の内を知っていた、でもそんなことに負けるわけない。
だってこっちもイタリアのくせとか知ってるもん?
勝ちました、はい。
祐希と有志のプレーもあって俺の左手サーブも決まった。
そして休養を挟みながら勝ちと負けを繰り返して迎えたロシア戦。
イタリアの時と同じような興奮を覚えながら今日もマサと一緒に歩く。
でも今日はいつもと違う。会見を開くから。
"話せるのようになったら自分の口から話す"そう言ったから。
柳田「自分の思うこと全部話してきな。
ごちゃごちゃ考えずにそのままのAがかっこいいから。」
マサはそう言って祐希と共に歩いていった。
俺はみんなから離れてスタッフさんと2人で会見へ向かった。
告知はしてもらったから多くの人が集まるよって言われた。
司会の人もコーチも監督も入れない、自分だけの会見。
「本日は試合前にもかかわらず、お集まり頂いてありがとうございます。
僕が召集された時の会見で戻ってきた理由を
話せるようになったら自分の口から話すとお話したのを覚えてますか?
その事についてお話したくて会見を開かせて頂きました。」
報道陣はめちゃくちゃ来てて後ろの人なんてほとんど見えてない。
マイクもスマホもカメラも向けられて異様な空気。
「僕はロシア出身でロシアで中3まで育ちました。
高校生になってから父親と共に世界中を旅して回り
各地で強豪バレーチームの練習に参加させてもらっていました。
その旅の中でバレーの楽しさをやっと知りました。
僕にバレーの楽しさを教えてくれたのは、一緒に旅してくれた父です。」
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千尋 - 続き楽しみです! (2020年1月24日 13時) (レス) id: 6a8c623822 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:瑠杏 | 作成日時:2020年1月19日 21時