愛してるよ橙くん４ (ページ5)

今日:21 hit、昨日:34 hit、合計:714,483 hit

＊敬愛　rukj ページ5

白side

本当に、すごい人。

実力とか、そんなのは当たり前で。

何よりもその、人柄が。

こんなにも人のことを考えられるのは、もはや才能だと思う。

見てないようで、誰よりも周りが見えている。

本人は、その事に全く気づいてはいないんだけど。

橙「ラウル？どしたん？」

ほら、今だって。

全然違うところで、他の人と話していたのに。

橙「どっか調子悪い？」

ちょっとした変化を見抜いてくる。

だから、虜になるんだ。

俺も、そんな風になれたらいいのに簡単にはいかないから。

せめて、少しでも近くにいられたら。

「康二くん。」

今日は、ちょっと大胆になってみようか。

せっかく、２人なんだし。

橙「なに？…………え？」

康二くんの目の前に膝まずいて、

橙「っ……らう、る……？」

戸惑うあなたの、綺麗なその手の甲に

優しく、気持ちを込めて、

キスをした。

「康二くん、好きだよ。そして、それと同じ
　くらい、俺はあなたを尊敬してる。」

橙「……っなに、」

「自分のためよりも周りの人のためにって考え
　られるところ。年齢なんて関係なく誰にでも
　優しく接しているところ。」

橙「いや……え、っと……」

「俺のことも対等に見てくれて、嬉しかった。
　安心して、自信がもてた。」

橙「……そ、んな…」

「今はまだ、あなたの隣に並ぶには、足りない
　から。もっと、頑張ります。」

橙「………いや、十分頑張っとるよ？」

「ううん、まだまだ足りないの。それでね、」

橙「ちょ、ちょっと、待って！……あの……手……
　恥ずい、から……」

「あ、ごめん。……………もう一回だけ。」

ﾁｭｯ

握ったままの手に、もう一度キスをして。

名残惜しいけど、手を離す。

橙「っ、///」

「それで、もっともっと頑張って康二くんに
　ふさわしい人になって、堂々と隣を歩きたい
　です。だから、覚えておいて。」

橙「えっ、」

「康二くんのことを好きな人、尊敬してる人は
　たくさんいるけど、俺が１番だって。」

橙「あ……」

「………ふふっ。行こうか、皆待ってるかも。」

橙「え？…………わっ、ちょ、待ってっ。」

手を引いて、歩き出す。

自信をもって言える日が、きっと来るはず。

いつかくる、そのときまで、

今は、手へのキスで我慢するよ。